『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』の聖狐

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(Darkest Hour)を見てきました。
近所のイオンで見たらお客様感謝デーで1,100円だったうえに初日というのに空いててラッキーでした。文芸映画はイオンで見るに限る。

もちろんハリファックス卿役のスティーヴン・ディレインが目当てで見ました。
最初の議会の場面から登場するディレイン。すごいアップです。いままでこんな巨大な彼の顔を見たことがなかったので驚き、緊張してしまいました。

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見せ場も多くセリフもたくさんあって大満足。
特にチェンバレンが末期がんで苦しみ、モルヒネで痛みを押さえているのにぜんぜん同情してやらず自分の信念を貫くことにしか興味のないところがスタニスっぽくて良かったわ。

ただカメラアングルが同じようなのが多かったのでもう少しいろんな角度から撮ってあげてほしかった。今思うとゲーム・オブ・スローンズほどスティーヴン・ディレインを美しく撮った作品はなかったなあ、と私の中のゲーム・オブ・スローンズの評価が上がりました。

ベン・メンデルソーンのジョージ六世がとても愛らしく、スーツがとても高級そうに見えました。ジョージ六世はハリファクスからバーティと呼ばれてて、個人的な親友だと語っていましたが、二人に共通の話題ってあったのかしら。

ドーバーのなんとか提督だったかもバーティと呼ばれていましたが、よくある愛称だったものか。寝癖可愛かったですね。(バートラム・ラムゼイって人でした。バーティ・ウースターと同名やな)


そしてサミュエル・ウェストが出てるのを知らなかったのでアンソニー・イーデン役で登場したのを見て大喜びしました。サミュエル・ウェストは『私が愛した大統領』(Hyde Park on Hudson)でジョージ六世を演じててこれまた可愛かったんですよ。エリザベス王妃がオリヴィア・コールマンで最高だった(回想)。



<ハリファックス卿のこと>

映画でチャーチルが彼のことを「伯爵の四人目の息子だから何だってする」と評していました。伯爵の四男なのに子爵とは?と疑問に思いましたので調べました(wikiで)。

エドワード・ウッド(というのが名前です)は、第二代ハリファクス子爵とレディ・アグネス・コートニーの四男として生まれました。母のレディ・アグネスはデヴォン伯爵の娘。チャーチルが映画で言ってたのはかなり不正確ですね・・・イギリス人なら分かるのだろうが外国人を惑わせないでほしい・・・

なお祖父の第一代ハリファクス子爵はレディ・メアリ・グレイと結婚したのですが、レディ・メアリの父は紅茶で名高いグレイ伯爵なのだそうです。いまスタニスの曾祖父がエイゴン五世だったと知ったときのような気持ちです。
で、なぜ四番目の息子のエドワードがハリファクス子爵を継いだかというと1886年から1890年の間に三人の兄が相次いで死去したため彼が相続人となりました。ロバートが頓死して王になった次男スタニスを思い出しますね。

映画でも使われていた"Holy Fox"のあだ名は信仰心が篤かったことからついたそうです。
左腕が生まれつき萎縮し、左手がなかった。映画でなんだかぎこちない動きだったのはそのせいなのかな?

映画では政治的に失敗したように描かれていますが、1944年に初代ハリファクス伯爵の爵位を賜っているので功績は評価されていたのでしょうか。それとも爵位と政治手腕は無関係なのか?

ハリファクスは左遷されてアメリカ大使となってから(左遷でアメリカ大使ってすごいな)ホットドックを食べずにヤンキーの不興を買ったそうなのですが、『私が愛した大統領』でジョージ六世がルーズベルトにホットドッグを強要されてたのはこのときの仕返しなのだろうか・・・可哀想なジョージ六世。

'Baseball and hot dogs mystify Lord Halifax,' proclaimed the Chicago Daily News.

(ハリファクスがアメリカにいたのは1940年代、ジョージ六世が訪米したのは1939年なので国王のホットドッグのほうが先)


といろいろ深みにはまれる楽しい映画でした。以上。

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by xiaoq | 2018-03-30 23:03 | ■映画

A Random Walk Down Dragonstone


by 香炉待薫記
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