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2013年 02月 19日 |
まだジョン ル・カレの「スクールボーイ閣下」を読んでいます。
長いのでなかなか終わらない。

返還前の香港での諜報合戦が重要な舞台となっています。
で、“中国通”のイギリス人諜報員が香港人に命令するときに「チョップチョップ(早く早く)」を連発するのでとても気になります。なんじゃ「チョップチョップ」って!?

オックスフォードの解説


chop-chop
Pronunciation: /tʃɒpˈtʃɒp/

Definition of chop-chop
adverb & exclamation
quickly; quick:
‘Two pints, chop-chop,’ Jimmy called

Origin:
mid 19th century: pidgin English, based on Chinese dialect kuaì-kuaì. Compare with chopstick



中国語の方言のkuaì-kuaìが語源、ってことは「快快kuàikuài」のピジン英語なんでしょうか?でもchopとkuaiって発音ぜんぜん違いますよね。chopは入声のようなので広東語由来っぽいんですけど・・・


と思いながら比べろといわれたchopstickの項目を読むと

chopstick
Pronunciation: /ˈtʃɒpstɪk/

Definition of chopstick
noun(usually chopsticks)
each of a pair of small, thin, tapered sticks of wood, ivory, or plastic, held together in one hand and used as eating utensils especially by the Chinese and the Japanese.

Origin:
late 17th century: pidgin English, from chop 'quick' + stick1, translating Chinese dialect kuaìzi, literally 'nimble ones'. Compare with chop-chop


やはりchop=kuaì〔快?〕で「すばやいやつ」のことだと説明されています。
でも筷子の筷は快とは別の漢字なのだが・・・?

あ、そういえば中国語の筷子って忌み言葉だったような気が・・・とwikiを見ると“筷子”の広東語版の解説に

喺古代嘅中國,筷子原本叫做箸,因為廣東話箸同住同音,即係停響度咁解,唔係咁吉利。所以改口叫快,即係停住嘅相反,後嚟直頭用筷字嚟做代表。


とありました(この説明なぜか国語版に載ってない)。
もとは“箸”だったが広東語の“住”(止まる)と同音で縁起が悪いので“快”(早く進む)に言い換えたんですよね。たしか船乗りの忌み言葉だったと聞いたいた記憶が。

だから“筷子”=“快子”という17世紀イギリス人の理解は正しかったんですね。しかし発音の疑問が解けない。

と思ってたのですが、ネットをさまよっていて
今日の英タンゴというブログに

もともとは広東語の「急」が語源となっています。


とあるのを発見。(該当ブログはもう更新しておられないようなので勝手に引用させていただきました)


そらあんた 急(gap1)でんがな!

と17世紀の英国商人にツッコミたくなりましたよ。


gap→chopなるほどねー。
たしかに“急”も“快”も中英辞書ではquick; quicklyになってるわ。

「広東人をせかすのには“急急”chopchopと言えばいい。quick,quickのことだ」と教えられていたイギリス人がいて、“筷子”は 'quickな棒'のことだと説明されてquick=chopだからchopstickなんだな!とはやとちりしてしまったのでしょうか。要は誤訳。(恥ずかしいミス・・・他人のことと思えない)


というわけでチョップチョップとチョップスティックの謎は解けました。

でももうひとつ疑問が出てきてしまった。
17世紀の広東人は「早くしろ」を“快啲啦~”ではなくて“急急”と言ってたのでしょうか?まるでキョンシー映画のようだ。「急急如律令!ハッ!」


辞書によると“急急如律令”は公文書の末尾にも書いたそうです。
商用文書でas soon as possibleの訳語に“急急如律令”を使ってて、半可通の英国商人が“急急”と“快快”を混同したのかも~と思ったりしました。
私もこれからはASAPの代わりに急急如律令を使ってみようと思います。
Please reply to me 急急如律令.←グローバルビジネスパーソンっぽいですな!



と書いているあいだに「スクールボーイ閣下」を読みおわりました。
最初の3/4くらい(←ほとんど)は何を読んでるのかまったく理解できず、うたた寝しながら朦朧と読んでいました。それが下巻の半分をすぎたあたりから急に話が動き出して、あれよあれよと引き込まれて最後まで一気に読みました。
はー、すごかった・・・



(おまけ)
広東語辞書にも箸の由来がのってました。


筷 faai3
The original word for "chopsticks" used to be 箸, pronounced as [zyu6] in Cantonese and [zhu4] in Mandarin, both being exactly the same as 住 is pronounced. 住 has a meaning of "stop" or "cease" which is considered to be inauspicious. The opposite meaning of "stop" is sth like "fast". So 快子 (meaning "fast") was used and is later changed to 筷子 or simply 筷.





急急如律令
汉 代公文常以“如律令”或“急急如律令”结尾,意谓立即按照法律命令办理。后多为道教咒语或符箓文字用以勒令鬼神按符令执行。



長い記事をここまで読んでくださってありがとう。


今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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2013年 02月 14日 |

「シャーロック(BBCドラマ)・ケースブック」
ガイ・アダムス (著), 加藤祐子 (翻訳)
早川書房


Sherlockのシリーズ2をやっと見たのでケースブックも買いました。日本語訳って本当にありがたいな。
とても丁寧な訳本ですみずみまで楽しめます。

で、シリーズ1で謎だったシャーロックのお言葉
It’s the mark of a Tong.An ancient crime syndicate. Based in China.
このTongの漢字表記が判明しました。

ケースブックのジョンの記録によると

シャーロックはそれが何か知っていた。「帮」、つまり中国の秘密結社の印だと。秘密結社「黒蓮帮」の印だ。



党dong2 じゃなくて幫bong1だった・・・

黒蓮帮hak1lin4bong1 ってなんだか語呂が悪い気がするんですけど平仄的に(←意味不明。でも言いにくくないですか?)
原文ではBlack Lotus Tongなのかな。気になる・・・原書買うか。








と思ってたらBlack Lotus Tongの "tong" は "tong war"の "tong"だと解説してる英語のサイトを見つけました。
"tong war"というのはアメリカのチャイナタウンで起きた中国マフィアの抗争のことのようです。
そしてその "tong"とは・・・



堂 tong4

でした。


黒蓮堂hak1lin4tong4ってグループ名だったんですね。
(エステサロンみたいな名前だ)



そして!ここで自分のヒアリングミスにも気づきました。
英語のファンサイトでシャーロックが蘇州SuZhouを杭州HangZhouと間違えてるとかいうツッコミがあって、何のことやら?とスクリプトを再確認してみたら

It’s an ancient number system - Hang Zhou


とありました。
シャーロックはSuzhou numerals(蘇州碼子)をなぜかHang Zhou(杭州)と間違えちゃったんですね。

それをまた英語聴力太差なブログ主がHanZi(漢字)と聞き取ってしまったというオチです。
だってまさかここで杭州が出てくると思わなかったし。
悔しいので(笑)DVDもう一度見たのですが、やっぱりhān zù(声調符号つけてみた)って聞こえる・・・耳おかしいのかオレ。


よく浙江省(省会:杭州)と江蘇省(省会:南京)をごっちゃにしてしまうのでシャーロックのことを笑えない・・・(←ていうか蘇州が江蘇省の省会だと思ってたいまさっきまで。)



今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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2012年 11月 17日 |
『桃さんのしあわせ』(《桃姐》)を見てきました。
本当に良い映画でした。


主役のロジャーを演じるアンディ・ラウの仕事は映画プロデューサーで、大陸でツイ・ハークやサモ・ハンと合作映画を撮っているという設定です。資本は大陸側が出しているようです。

アンソニー・ウォンに「何の映画だ?」と聞かれてアンディは「三国」と答えてました。
秋生に「また三国かよ!」と突っ込まれてた。(そして「しょっちゅう撮ってるんだよ」と答えてた(笑))
大陸で映画を撮るのは大変だと聞かされたアンソニー・ウォンの「俺には無理だな」という台詞も笑ってしまいます。(秋生は大陸での映画撮影の状況のひどさを記者会見などで率直に批判しているので)


劇中にこの映画のプレミア上映のシーンがあって、タイトル《空城計》だけがお披露目されてました。
徐克が監督で洪金寶がアクション監督の《空城計》、きっと派手なスペクタクル映画なんでしょうね。
でも、プレミアなのに招待客が途中で帰ってしまったり居眠りしちゃいます。
たぶんあんなの《三國之見龍卸甲》とかあんなの《關雲長》みたいな映画なんだろうなあ・・・といろいろ想像が広がります。

香港映画人の大陸との合作映画に対するやるせなさや情けなさが感じ取れる場面でした。



《空城計》の題字が《墨攻》に似てる・・・と思ったら、《墨攻》がコケたエピソードが投影されているらしいとネットに出てました。本当かな?

今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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2012年 11月 09日 |
CCTVで《香港電影:北上 北上》という番組が放映されていました。

かつて東洋のハリウッドと呼ばれた香港の映画は、いまや見る影もなく、大陸との合作映画で生きながらえているだけ・・・というのが私の印象。
この番組ではインタビューを中心に、大陸で生き残ろうとする香港映画業界を描いています。


動画とスクリプトはCCTVのサイトで見れます
香港电影:北上 北上

土豆にもアップされてました
香港电影:北上 北上


映画はビジネスなんだからお金を稼げる場所へ行くのは当然、市場の大きい大陸を舞台にして大陸の俳優やスタッフを使った映画を作るのが正しい決定、香港人のことだけを描いた映画なんてマーケットが小さすぎて意味なし、という割り切った意見がほとんど。
登場する映画人は上手い下手の差はあっても、み~んな国語でインタビューに答えていて、香港も変わったと感じさせられます。


でも私は香港が好きなので、香港の街道で香港人が広東語を喋る映画が見たい。
もうそんな香港映画は見れないのかな・・・

と悲しく思っていたら、「それでも香港にこだわり続ける監督もいる」と《桃姐》が紹介されてました。
アン・ホイ監督は何年もこの映画の準備をしていたのに、題材が地味すぎて投資者が見つからなかったそうです。
しかし!そこに現れたのが救星アンディ・ラウ。
アンディは「この映画は絶対撮らないといけない」と投資者を口説いたそうです。(投資者の条件はアンディが格安ギャラで出演することだったみたい)

アン・ホイ監督の信念とアンディ・ラウの香港映画に対する愛情が感じられる良いインタビューでした。
まだ香港映画を撮ってくれる映画人もいるんだ~アンディありがとう~と感謝の念でいっぱいになりました。


CCTVの番組なので、きっと「香港人が祖国のために尽くすのは当たり前。中国人様のために奴隷となって映画を作ればいいのだ」みたいなトーンなのだろうと予想していたら、意外に「カネのために大陸人に魂を売った多数派VS香港人としてのプライドと芸術表現を守る少数派」って内容でした。
(CCTVのドキュメンタリーって政策と関係ないテーマのときはけっこう面白いです)

ニコラス・ツェーが自分の息子のために作ったメッセージ・ビデオも披露されてて面白かった。危険なアクションもスタントを使わず自分で演じてるんですね。


《桃姐》は関西でも公開になりました。楽しみです。
映画『桃さんのしあわせ』公式サイト


でもせっかくここまで頑張ってくれたんだから日本語タイトルも「桃(タオ)さんのしあわせ」じゃなくて「桃(トウ)さんのしあわせ」と広東語読みにしてもらいたかった・・・「父さん」みたいだからダメだったのでしょうか・・・

粤語では
桃tou4*2
姐ze2


今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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2012年 08月 05日 |
『京劇役者が語る京劇入門』
魯大鳴 (駿河台出版社)


私のような京劇のド素人が読むには面白くて良い入門書でした。
よく知ってる人には物足りないかも。

以前から詳しく知りたいと思っていた(団音と尖音 その2)団音と尖音について説明がありました。



京劇としての特賞

十三轍(十三音韻)は、北京の言語発音に従って、歌や台詞の中にちりばめられた十三種類の音韻です。また、発音が舌尖音系の声母のものを尖音と言い、舌根音(舌面音)系の声母のものを団音と言います。例えば心、酒、先などの声母(中国語の発音字母〔z〕〔c〕〔s〕など)が舌尖音、新、九、肩などの声母(中国語の発音字母〔j〕〔q〕〔x〕など)が舌面音です。
具体的には、「中東(-ong)」「一七(-i)」「言前(-an)」「灰堆(-ei)」「梭波(-o)」「摇条(-ao)」「発花(-a)」「人辰(-en)」「由求(-ou)」「乜斜(-e)」「姑蘇(-u)」「江陽(-ang)」「懐来(-ai)」が十三轍の音韻です。そして、言葉の調子を中国語の声調である四声(陰平、陽平、上、去)でまとめています。

第一章 京劇の歴史 P.28



ここがよく分からなかった。
心、酒、先が〔z〕〔c〕〔s〕と書かれていますが、

現代普通話:
心〔x〕
酒〔j〕
先〔x〕

に対して

京劇の十三轍:
心〔s〕
酒〔z〕
先〔s〕

となるという意味かしら。

確かに広東語だと
心sam1
酒zau2
先sin1

なので納得できなくもないのですが・・・他の読者は分かったのだろうか。
あとの章でもう少し詳しく解説されてます。でもこれも似懂非懂だった。



十三轍は第一章で述べたように、「中東(-ong)」「一七(-i)」「言前(-an)」「灰堆(-ei)」「梭波(-o)」「摇条(-ao)」「発花(-a)」「人辰(-en)」「由求(-ou)」「乜斜(-e)」「姑蘇(-u)」「江陽(-ang)」「懐来(-ai)」の十三の音律を言います。
(略)
『中州音韻』の中に書かれている尖子(舌前音)、団子(舌面音)の基準に従って、京劇の舞台では発音されます。〔z〕〔c〕〔s〕の場合には声母の字を尖字として読みます。例えば「将」は意識して舌の先端を使って〔ziang〕と読みます。〔zh〕〔ch〕〔sh〕〔j〕〔q〕〔x〕の場合は声母の字を団字として読みます。例えば「期」は意識して舌の面を使って〔qi〕と読みます。

第七章 京劇の音楽 P.134



〔zh〕〔ch〕〔sh〕を団子(舌面音)で読むということはそり舌は使わないという解釈なのでしょうか?それとも「意識して舌の面を使って」そり舌にするのか?(難しそう・・・)

京劇って面白そうだなあと思いました。次に中国へ行ったら見てみたい。(と毎回思って毎回見れない)

今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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2012年 08月 04日 |


《重見.重建》
作者:許芷盈
出版社:三聯(香港)
出版日期:2008年01月26日
語言:繁體中文 ISBN:9789620426759
裝訂:平裝






深水埗の再開発地区、取り壊し予定の建物で暮らす人々を取材した本。

香港好きなら深水埗(サムスイポー)という地名だけで下町の雰囲気が想像できるのでは。
『転がる香港に苔は生えない』(星野 博美)の舞台も深水埗でしたね。金持ちは住んでいない、観光客もあまり来ない、小商いの多い地域というイメージです。

この本に登場するのは老舗の手作り醤油屋さん、ビルの入り口で営業する新聞スタンド、最近めっきり見かけなくなったお祝いの花牌(花飾り)職人など、若者はやりたがらないような仕事を何十年も黙々と続けている人たち。

大陸から来た「自梳女」(一生独身を守ると誓った女性)たちがグループで暮らしている(それもビルの屋上に小屋を立てて)部屋があるんですね。
「自梳女」については映画や小説で見たことしかなく、歴史の彼方の話だと思っていました。彼女たちが今でも香港で暮らしているとは驚きです。


イラストにも写真にも文章にも失われていく香港への愛が感じられる良い本でした。
今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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2012年 01月 27日 |
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词家有道:香港16词人访谈录
黄志华, 朱耀伟), 梁伟诗
广西师范大学出版社; 第1版 (2010年10月1日)




香港の作詞家16人のインタビュー集。

このところほとんど広東ポップスを聴いてないわたしが言える立場ではないのですが、このままでは香港歌謡界は衰退してしまうのでは?という業界の危機感と焦燥感が感じられる本です。

「広東語のポップスに将来はあるのか?今後どうするべきか」「香港の作詞家は林夕と黄偉文の二人しかいない状況をどう考えるか」という質問を複数の作詞家に投げかけています。


この本を読むまで知らなかったのですが林夕の本名は梁偉文なんですね。それで「二人の偉文で600万人の歌詞を書いてる」と言われてるそうです。
黄偉文は最近は新しい作詞家も出てきてると楽観的な見方をしていますが・・・


もうひとつ何度も出てきてたのが「台湾の方文山の中国風をどう思うか」という質問。
作詞家業界にとってはやはり衝撃的なことだったんでしょうか。
(業界の人たちはあんまり評価してないっぽい印象を受けましたが。負け惜しみか?)


「影響を受けた作家は?」という質問に唐詩や宋詞を挙げてた作詞家が多かったのも印象的でした。
日本のポップスの作詞家で「古今和歌集に影響を受けた」って人はあまりいないと思う。
古典詩の中国人に対する影響は大きいのですね。

現代詩の詩人に影響を受けてるという答えもあったのですが、張愛玲の小説という答えも複数あって香港人って本当に張愛玲好きなんだなーと感心しました。


知らない曲で面白そうな歌詞がたくさん紹介されてました。
香港ポップスには頑張ってもらいたいので私もちゃんと聴いてみようと思います。


広東語だけで書かれてる歌詞ってあまりないのですが、黄偉文作詞の「你唔愛我啦」は本当に普通の香港の女の子の喋り方で可愛い。
你唔愛我啦 with Cantonese Romanization/Cantonese Pinyin



音が悪くて聞きづらいのですが、広東歌を歌えなくなるのではと心配するイーソン・チャンのインタビュー
陳奕迅擔心冇得唱廣東歌


今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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2012年 01月 07日 |
《超時空要愛》はトニー・レオン主役の三国タイムトラベル映画。
そういえば見たことなかったなあと思って見てみました。

あまりのアホ映画だったせいかwikiにすら載ってません・・・

ストーリーは2組の主役の物語が並行して進みます。
一方の主役のトニー・レオンは誰も愛さず誰にも愛されない孤独な日々を送る刑事。
もう一方の主役、テレサ・リーと劉以達はギャングの下っ端カップル。恋人同士なのに親分の離間の計にはまって街頭で殺しあう。

二人の銃撃戦の現場を通りかかったトニー・レオンは流れ弾に当たって死にかけ、臨死状態で女性の霊と出会う。
その女性はテレサ・リーの友人で、ギャングの親分のせいで自殺に追い込まれたのだ。
女性の霊魂(なぜかオールヌード)に一目ぼれしちゃうトニー・レオン。

ここまでですでにストーリーがぐちゃぐちゃな感じ。
どこへ行くんだこの映画と思っていると・・・


警察に追われたテレサと以達は文武廟に立てこもって抵抗する。そこへ多勢に無勢の二人の窮地を見かねた関公が復活してしまう!
孫権に殺されたショックで(たぶん)現代へタイムスリップした関羽が元俳優に憑依してしまったのだ。

トニーと制服警官の
「關公?」
「唔信你自己睇吓啦」(うろ覚え)
みたいな会話が可笑しい。
この会話をやりたいためだけに作ったんじゃないのこの映画。

文武廟に蘇る関公(B級映画なのでとてもチープなお姿)に大笑い。


トニーは関羽に憑依された男の元恋人(京劇女優)を使って関羽を投降させようと試みる。
京劇女優に協力を依頼する場面でトニーが奇妙なダンスを踊るの。ストーリーに全然関係ないんですけど可愛かった・・・

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京劇女優は貂蝉のコスプレ、トニーは諸葛亮のコスプレで説得に挑む!

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説得に失敗してるところへ警察が突入、トニーたちは(乱闘でたぶん全員死亡して)三国時代にタイムスリップ。
一緒に時空を超えてきた以達は劉備、テレサは張飛、京劇女優は趙雲に憑依。テレサの三弟がかわいい。

ストーリーの行方が見えないまま、孫権に捕まってる関羽を助けに行く現代人ご一行。
そして孫権のもとには呂蒙がいた。

刮目しました呂蒙に。









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美しすぎる呂蒙はトニー・レオンが一目ぼれしたあの霊魂女性だったのだ!!
(現代で死んだショックでタイムスリップして呂蒙に憑依したらしい)

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・・・知らんかった・・・亮蒙だったのかこれ・・・貴重すぎる一作
キスシーンまでありました。目の前でいちゃいちゃされてる孫権が可哀相。


最後はみんなで現代に戻るが呂蒙(っていうのか女性霊魂)だけが戻れなかった・・・という悲しいお話。

現代に帰ってきた一行がミニバスで(英雄なのに小巴)帰路につき、これからどうする?と話し合ってるのに、自宅が近づくと議論の途中で次々と「有落!(降りま~す)」とバスを降りていってしまう場面が寂しい。
孫権と戦うときには一致団結しても、日常生活ではバラバラな都会人の姿に、返還のころの香港ってやさぐれた雰囲気だったよなあと回想しつつ見ました。


変な映画だった。
B級どころかC級くらいの出来なんですが、まったく面白くないわけでもなく、テーマはタイトルどおり時空を超えた愛なので感動しないわけでもない作品でした。
以達が意外に普通(何が)。


呂蒙役の趙銀淑は韓国人女優なんですね。
それで一人だけ脱いでたのか・・・
香港映画はこの一作だけだったようです。
チョ・ウンスクで検索してみたら曺銀淑 조은숙. Jo Eun-Sukでヒットするので趙じゃなくて曹なのかも。


百度百科の丸写し

刘一路梁朝伟
Gi Gi李绮虹
素群赵银淑
林叔林尚义
大飞刘以达
马丁梁焯满
郑思思姐妹李枫
许靖叶竞生
关羽王卫国


単にヒゲもじゃで美しい呂蒙を紹介したかっただけです。
再会!

今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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2012年 01月 05日 |
新年ですのでちょっとお目出度い話題をと思いまして


中華世界で関羽が「関公」と呼ばれて武術や商売の神さまとして信仰されているのはみなさんもご存知のことと思います。
どのくらい崇拝されているか動画でお見せしましょう。


◆2010年に話題になった変形関羽

關公版變形金鋼「解.放」



◆蜀漢ファンなら知らぬものはない(かどうか知らんが)台湾の名作映画「関羽が宇宙人と大いに戦う」
この名作がデジタル修復されてネットで見れるようになったというニュース

中国版ニュース
1976年"戰神"(關公大戰外星人新聞片段)



香港版ニュース
台湾映画なのに戦いは香港で行なわれていた模様。
ジャーディン・ハウスが破壊されてます!香港大災難!
デジタル・リマスターは《維多利亞壹號》(ドリーム・ホーム)の彭浩翔監督が行ったのかな?

關公大戰外星人網上足本任睇(2011-05-11)



◆そして、この名作映画が2011年に香港でリメイクされたそうです。

ニュース
新香港精神《關公大戰外星人》



オフィシャル予告編
[關公大戰外星人] 官方Trailer


最初の「めあー?ぐあんごん?」ってセリフが笑える。
私もモブに混ざって「わ~!」と叫んでみたい・・・


これが映画中で中央政府が投入する最終兵器「機械雷鋒」
(雷鋒を知らない人はググってみてください)

國家機密級最終兵器-機械雷鋒


この動画見てから気がつくと♬雷鋒という良いお手本を見習おう~と口ずさんでいる・・・こわい・・・


「関公」の復活は中華民族にとって大事件なのですね!!


とここまでが前フリで明日はタイムスリップ香港映画の話題をお届けします。再会!

今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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2011年 11月 21日 |
中国語は絶対、勉強するな!」さんのブログ記事「Hold住」がとても面白くて、私も自分の考えを思いっきり発表してみたいので記事にします。
(相変わらず他人様の記事横流しブログ)

ブログ主のhanyu07さんは短い期間ですごく学習成果をあげてらっしゃって、ダラダラぐにゃぐにゃと学習を続けてる私にはまぶしい存在です。語学学習ってこうやってするのねーといつも感心しています(感心してるだけじゃだめだ!>自分)


で、今年大流行したらしい「Hold住」。私が気づいたのは中国網友とのチャットに頻繁に出てくるようになった夏ごろ。
百度百科の「Hold住」にもあるようにもとは香港で普通に使われてる広東語の語彙でした。
台湾のテレビで話題になって台湾國語→普通話の流行語として取り入れられたようですね。


(以下素人の勝手な考えを述べています。あまり真に受けないようにお願い致す)


広東語の「動詞+住」は普通話の「V+住」と「V+着」の両方を兼ね備えた用法のようです。
手元にある白帝社の「広東語初級教材 香港粤語 〔応用会話Ⅰ〕」の「住」の項目には


動詞+jyuh
動作の結果が持続することを表す。動作そのものの進行を表す“緊”とは異なる。

(a)唔好開住冷氣出街呀。
(b)唔好意思,你坐住我件衫。

「広東語初級教材 香港粤語 〔応用会話Ⅰ〕」 p.89


とあります。
普通話にすると

(a)別開着空調出去啊。
(b)不好意思,你坐在我的衣服上呢。

でしょうか。
(b)の用法は語順も普通話とだいぶ違いますね。


よく使う「動詞+住」で思いつくのは

睇住 [tai2 zyu6]
会話相手注意を促すのに「睇住tai2 zyu6」と言います。普通話に直訳すると「看着」ですが、「見なさい」だけでなく「小心(気をつけなさい)」のニュアンスがあります。

跟住 [gan1 zyu6]
普通話に直訳すると「跟着」。「跟住我」の場合は普通話の「跟着我」と同じ意味。
それに加えて「跟住」には普通話の「接下来(それでは、それから)」の意味もあります。

錫住 [sek3 zyu6]
普通話に直訳すると「喜歡着」?。普通話であんまり「喜歡着他」とか使わない気がするんですが広東語だと「錫住佢」は普通の言い方ですね。(自信なくなってきた)

咪住 [mai5 zyu6]
これは普通話に直訳できないような・・・「停着」でいいのかしら?相手の行為をストップさせるときに使います。普通話なら「等一等」のほうが自然でしょうね。

keep住 [kip7 zyu6]
日本語の「キープする」に近い語感。普通話には直訳できませんね。


・・・で、何を言いたかったんだっけ?(論旨を見失う私)

そうそう、広東語の「動詞+住」は普通話の「V+住」と「V+着」の両方の意味を持ちながらも、さらに広く使える用法ではないだろーかと言いたかったわけです。


それでやっと「Hold住」の話になるんですけど、これまた白帝社の「広東語入門教材 香港粤語[発音] 」には

hold [hou1]
電話をそのまま切らないでいる

「広東語入門教材 香港粤語[発音] 」 p349


と記載があります。
「hold」の発音は「ほう」ですね。(香港人の英語は末尾の子音が落ちることが多い)

Cantonese Discussion の掲示板記事"Hou1 住" によると古くはラム・チェンイン(林正英)の映画でも使われてたそうです。どれでしょうね。「燃えよデブゴン」あたりかなあ?


普通話に入ってからは「Hold得住」というバリエーションも見かけるようになりました。
広東語の場合は「對得住」以外ではあまり「動詞+得住」という形は取らないように思います。(広東語だとたぶん「動詞+得起」になるから)
「Hold得住」は普通話ならではの語形変化では?こういう風に変っていくところも面白いですね。
(なんか無理やりな締め方)


「インファナル・アフェア(《無間道》)」で黄sirが「Hold住!Hold住!」を使ってる場面を見つけました。

Hold住!Hold住!



いつもありがとうございます

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