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2011年 11月 21日 |
中国語は絶対、勉強するな!」さんのブログ記事「Hold住」がとても面白くて、私も自分の考えを思いっきり発表してみたいので記事にします。
(相変わらず他人様の記事横流しブログ)

ブログ主のhanyu07さんは短い期間ですごく学習成果をあげてらっしゃって、ダラダラぐにゃぐにゃと学習を続けてる私にはまぶしい存在です。語学学習ってこうやってするのねーといつも感心しています(感心してるだけじゃだめだ!>自分)


で、今年大流行したらしい「Hold住」。私が気づいたのは中国網友とのチャットに頻繁に出てくるようになった夏ごろ。
百度百科の「Hold住」にもあるようにもとは香港で普通に使われてる広東語の語彙でした。
台湾のテレビで話題になって台湾國語→普通話の流行語として取り入れられたようですね。


(以下素人の勝手な考えを述べています。あまり真に受けないようにお願い致す)


広東語の「動詞+住」は普通話の「V+住」と「V+着」の両方を兼ね備えた用法のようです。
手元にある白帝社の「広東語初級教材 香港粤語 〔応用会話Ⅰ〕」の「住」の項目には


動詞+jyuh
動作の結果が持続することを表す。動作そのものの進行を表す“緊”とは異なる。

(a)唔好開住冷氣出街呀。
(b)唔好意思,你坐住我件衫。

「広東語初級教材 香港粤語 〔応用会話Ⅰ〕」 p.89


とあります。
普通話にすると

(a)別開着空調出去啊。
(b)不好意思,你坐在我的衣服上呢。

でしょうか。
(b)の用法は語順も普通話とだいぶ違いますね。


よく使う「動詞+住」で思いつくのは

睇住 [tai2 zyu6]
会話相手注意を促すのに「睇住tai2 zyu6」と言います。普通話に直訳すると「看着」ですが、「見なさい」だけでなく「小心(気をつけなさい)」のニュアンスがあります。

跟住 [gan1 zyu6]
普通話に直訳すると「跟着」。「跟住我」の場合は普通話の「跟着我」と同じ意味。
それに加えて「跟住」には普通話の「接下来(それでは、それから)」の意味もあります。

錫住 [sek3 zyu6]
普通話に直訳すると「喜歡着」?。普通話であんまり「喜歡着他」とか使わない気がするんですが広東語だと「錫住佢」は普通の言い方ですね。(自信なくなってきた)

咪住 [mai5 zyu6]
これは普通話に直訳できないような・・・「停着」でいいのかしら?相手の行為をストップさせるときに使います。普通話なら「等一等」のほうが自然でしょうね。

keep住 [kip7 zyu6]
日本語の「キープする」に近い語感。普通話には直訳できませんね。


・・・で、何を言いたかったんだっけ?(論旨を見失う私)

そうそう、広東語の「動詞+住」は普通話の「V+住」と「V+着」の両方の意味を持ちながらも、さらに広く使える用法ではないだろーかと言いたかったわけです。


それでやっと「Hold住」の話になるんですけど、これまた白帝社の「広東語入門教材 香港粤語[発音] 」には

hold [hou1]
電話をそのまま切らないでいる

「広東語入門教材 香港粤語[発音] 」 p349


と記載があります。
「hold」の発音は「ほう」ですね。(香港人の英語は末尾の子音が落ちることが多い)

Cantonese Discussion の掲示板記事"Hou1 住" によると古くはラム・チェンイン(林正英)の映画でも使われてたそうです。どれでしょうね。「燃えよデブゴン」あたりかなあ?


普通話に入ってからは「Hold得住」というバリエーションも見かけるようになりました。
広東語の場合は「對得住」以外ではあまり「動詞+得住」という形は取らないように思います。(広東語だとたぶん「動詞+得起」になるから)
「Hold得住」は普通話ならではの語形変化では?こういう風に変っていくところも面白いですね。
(なんか無理やりな締め方)


「インファナル・アフェア(《無間道》)」で黄sirが「Hold住!Hold住!」を使ってる場面を見つけました。

Hold住!Hold住!



いつもありがとうございます

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2011年 09月 05日 |
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というわけで『SHERLOCK(シャーロック)』を見ました。

NHKのサイトはこちら→SHERLOCK(シャーロック)|NHK BSプレミアム 海外ドラマ



NHKの紹介文より

いつの間にか古典的な探偵の代名詞となってしまった「シャーロック・ホームズ」。しかし、元来、彼は非常に現代的な男だった。
シャープで気難しく、ちょっとアブナイ男。今、シャーロックがその本来の姿で戻ってくる。
自称「コンサルタント探偵」のシャーロック・ホームズと、元軍医ジョン・ワトソン。シャーロックの頭脳とジョンの現実主義が融合し、複雑な迷路のような謎をひもといていく。
コナン・ドイルの原作を大胆にアレンジした「21世紀版シャーロック・ホームズ」。2010年、イギリスBBCで放送され大反響を呼んだ話題作。

BAFTA(英国アカデミー賞)ベスト・テレビドラマ賞受賞
エミー賞(2011年)ミニ・シリーズ部門 脚本賞、ほか ノミネート中
製作総指揮:スティーブン・モファット、マーク・ゲイティス、ベリル・バーチュー ほか



イギリスのドラマは脚本が良くできてて、ファッションもインテリアもお洒落で、何より日本軍が出てこないので見ていて本当に楽しい。
まさか現代版ホームズがこんなに面白いとは・・・


(以下ネタバレ)




2話で登場したチャイナガールは広東語を喋ってましたが、シャーロックホームズものに出てくる中国人はカントニーズという了解事項があるのだろうか・・・
(しかし欧米のドラマで「東洋の邪教団」が出てくるとやる気を失うのは私だけか?しかもそれを言うなら「白蓮」やろ、導師はくまきんきんに決まってるやろ!と思っちゃう)

あの暗号もなんだか見たことあるなーと思ったら、昔は香港の露店なんかによく書き付けてありましたね。大陸でも使うんでしょうか。

wikiを見るとあれは蘇州碼子というものらしいです。シャーロックは「ハンズー(漢字)」だと言ってましたが、ハンズーじゃなくてシューズー(数字)ですね。

追記:
シャーロックが言ってたのは「ハンズー(漢字)」ではなく「ハンジョウ(杭州)」でした。聞き間違いを訂正します。はずかしー




蘇州碼子又稱花碼、番仔碼、草碼、菁仔碼是一種傳統在中國民間流行的數字,產生於中國的蘇州。現在這種數字在中國大陸及台灣幾近絕跡,但在港澳地區的街市、舊式茶餐廳及中藥房偶而仍然可見。香港公共小型巴士曾以此標示車資價錢。香港小學數學課程中將之稱為中國古代數字,並於小學六年級教授有關用法。(維基百科)



画像も勝手に転載ごめん
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日本語吹替えでちょっと見てみたのですが、どうしても違和感があって無理に英語で見たらやはり話がよく分からなかった(悲)
字幕が出せるらしいのですが、うちの機械では設定できないみたい(悲悲)
シリーズ2が出たらまとめてDVD買おうっと。ケースブックも出るみたいだし。


と思ってたらBBCのサイトからTHE BLIND BANKERのスクリプトをダウンロードできるんですって。
BBCは太っ腹だな。それとも英語で世界支配するつもりなのか。

THE BLIND BANKER

SooLinのセリフで「ジージュー」って何!?というところがあったのですがスクリプト見て判明。


SOO LIN
Only he would do this. Zhi Zhu.
JOHN
What?
SHERLOCK
It means ‘The spider’.



なーんだ蜘蛛zhīzhūですか・・・
「え?記住?嫉妬??」ってなってた。
私zhichishirijiqixi苦手なんですよ(みなさんご存知ですね)

っていうかシャーロックが「spider」言うてるやろ(>自分)
これを「spy」と聞いてしまってさらに「スパイだ???間諜?敵人?漢奸?」(←そこまで言ってない)ってなってたんですねー、ベネディクトさん語尾ははっきり発音してくれたまえ(しかしすごいアホ>自分)


でもスーリンの言ってることって本当にわかんなかったわー。こんなこと言ってたのね。

SOO LIN
You know this mark?
SHERLOCK
It’s the mark of a Tong.
JOHN quizzical.
SHERLOCK
An ancient crime syndicate. Based
in China.
SOO LIN
Every foot soldier bears the mark -
every one who hauls for them.



何でしょうかね「Tong」って?「彤」?(ドラマ違い

(追記)
いまひらめきました。これは「党」の広東語読み「dong2 」を無気音で表記してるのでは!?


さらに追記:
「堂」 tong4 でした。


SOO LIN
I was fifteen, living back in
China, in the Yellow Dragon City.



黄龍市?鎮かな?
ボーダーを越えて香港へ行ったと言ってるので広東省の出身でしょうか。(福建だったら海峡を越えるだろうし東北なら朝鮮半島へ逃げるかなーと思って)
シンセンに石龍ってとこがあるが・・・

そして最後のセリフのところこうなってるのですが

SOO LIN
(Breathless, terrified)
Pin yin. Liang. Liang. Qing!


「涼涼請」?それか蜘蛛の本名が「亮」で「亮亮請」(孔明のワナ)
でもこの場面実際には「だいごー、てぃんねい・・・」って言ってたぞ・・・大哥聴你?(意味不明)


いやまあどうでもいいことなんですが、中国語のことになるとついムキになっちゃう。

関連エントリー
「シャーロック・ホームズと絹のストッキング」DVD鑑賞
很黄很暴力的《福爾摩斯》


いつもありがとうございます

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2010年 04月 03日 |
フランス人が台湾外省人にアンケート調査して書いた本。変わったフランス人だなーと思いながら読みました。

台湾での「国語推行運動」について

さらに忘れてならないのは、当時国民党政府は一致して「国語推行運動」を推し進めており、もともと出身地の言語しか話せない多くの軍人に国語を学ぶように迫っていた。これも実際は、統治者による当時の建国計画の手段であり、その措置であった。言語統一の教育の対象は台湾人ばかりでなく、各地の方言を持つ外省人でもあったのである。(略)多くの証言によれば、少なからぬ外省人が国語推行運動に対して不満を持っていたという。

「1外省人の歴史と政治的背景」
『台湾外省人の現在―変容する国家とそのアイデンティティ』
ステファン・コルキュフ (著), 上水流 久彦 (翻訳), 西村 一之 (翻訳) 風響社



国語は外省人にとっても内省人にとっても非母語だったというのを初めて知りました。
「外省人=国語をしゃべる人」と思ってたのですが、全員が標準語話者じゃなかったんですね。
(そういえば「悲情城市」に出てくる外省人は上海語とか広東語とか喋ってましたね)

あんまり本題と関係ないんですけど、中国語の成語について。

筆者はこの種の自己の位置づけに関心を覚えるので外省人がよく使う成句を持ち出すことにした。それは『三国志演義』の「分久必和、合久必分」というものである。(略)この成句による表明は迷わず、自己を位置づけられる良い例であり、中国の文化では成句がしばしば機能することが分かった。まさに「分久必和、合久必分」という成句は、両岸統一の自信を示すものである。だが、それは理性的な思考によるものではなく、その成句を用いることで安心を与えているだけなのである。

「3アンケート調査とその回答」
『台湾外省人の現在―変容する国家とそのアイデンティティ』
ステファン・コルキュフ (著), 上水流 久彦 (翻訳), 西村 一之 (翻訳) 風響社



そうなのよ、中国の人ってどっか(チベットとかウィグルとか)の独立の話題になると「分久必和、合久必分」って言って済ませちゃうことがありますよ。いつも「・・・・・で?」って言いたくなっちゃう(言わないけど)。成語って使うと何か説明した気になって思考停止しちゃうので危険だと思う。


「解説」がまた面白い。


このような単純明快な結論は、外省人に対して少なからぬ震撼を引き起こしたようである。例えば、彼の新書の発表会に外省人作家の白先勇が友情出席していたが、婉曲に挨拶を断り、静かにその場からはなれた。また、もう一人の文化界の知名人である柏楊は、挨拶の折に外省人と呼ばれたこと自体が彼に「大きな衝撃を感じ」させたと表明した。

「解説(何義麟)」
『台湾外省人の現在―変容する国家とそのアイデンティティ』
ステファン・コルキュフ (著), 上水流 久彦 (翻訳), 西村 一之 (翻訳) 風響社



そういえば白先勇の小説には、貧乏な元軍人/外省人が多く出てきますよね。外省人ってみんな特権階級だと誤解してたので意外に思ってました。
この本はそういう貧乏なもと軍人にもインタビューしてて興味深かった。

柏楊老師はこのころまだ存命だったのですね。いろいろ感慨深い本でした。


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2010年 04月 01日 |
今年のラジオ中国語講座の応用編は、文法を間違ってネイティブを困惑させちゃった文章を診断してもらえるようです。面白そう。
返答に困って「・・・そうなの・・・でもとにかくがんばって」とか言ってるネイティブがカワイイ。


テキストを読んでたら「第5課」(4/15放送)のところに

“明天英语考试,我要回去。”はヘン?


というのがありました。

どこがヘンかというと、

“要”は適切ではありません。
“我要回去。”はそれだけでは問題はありませんが、この文脈から考えると、意思を表す助動詞“要”を使ってはたいへん自己主張が強く、硬い表現になります。こういうとき「帰らなくては」と言うには“我要回去。”ではなく“我得dei回去。”のほうがよりふさわしいでしょう。


・・・・・・・・ぜんぜん知りませんでした。

考えてみれば“得dei”ってドラマなどでは聞いたことがあるものの、実生活では聞いたことがないように思います。
私にとっては典型的な「教科書には載ってるけど街角で耳にしたことがない単語」の一つで、「北方の人が使う言葉」って感じがあるのですが実際にはどうなのでしょうか。

私にとっての「教科書には載ってるけど街角で耳にしたことがない単語」には他に「咱們」「倆」「串門」などがあります。


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2010年 02月 28日 |
フィギュアの中国ペアはエキシビションのときはとってもオシャレな衣装なのに、なぜ競技のときは古臭~い真っ赤な衣装を着ているのでしょうか。あのセンスにどうしても耐えられずにいつもTVを消してしまいます。もしや政府と党の領導人の指導によるのでしょうか。どなたかご存知でしたら教えてください。


荒川先生の本はどれも偉い先生の本と思えないくらい親しみがあって好きです。
いちばん良かったのは「はじめに」の部分。
学習が長い人にもきっと得るところがあると思います。


中国語学習のゴールは、中国人と同じように中国語を話せるようになることだと思っている人がいる。つまり、ネイティブスピーカーのようになることを目標にするのである。しかし、はたして、中国語学習の最終目標は中国人のようになることなのだろうか。
と言うより、本当に中国人のような中国語をしゃべることが可能だろうか。疑問だ。わたしも、会って最初の5分ぐらいは中国人をだませることがある。(略)しかし、本当の中国人のようにしゃべれるというのは、発音やイントネーションだけでなく、表現のすみずみにわたって中国人的な発想の中国語がしゃべれるということである。はたしてそんなことが可能だろうか。わたしはそれは不可能だと思う。

はじめに
『体験的中国語の学び方―わたしと中国語、中国とのかかわり』
荒川 清秀 (同学社)


日本人なんだから中国人とまったく同じ中国語をしゃべる必要はないんですよね。心強いです。
だってどうしても中国人と同じ発想や行動はできないんですもの。そういえば、この本のどこかのページに「謝謝」とか「対不起」を自分の作るテキストから排除しようかと思った時期があった(中国人は実際には使わないから)というのが出てきて大笑いさせていただきました。最近はだいぶマシになりましたよね。


ネイティブのなまりについて

共通語は北京語の音の体系を基礎にしているが、北京の方言はなんでもいれているわけではない。わたしは北京に行くとよくタクシーに乗る。(略)ところが10台乗ってそのうちの3人くらいは言っていることがよくわからない。あ、これは北京方言の強い人だなと思う。(略)
本当は共通語といわれるものは幻想のようなもので、なんらかの方言をもとにするしかない。これは自分の中国語を形成する場合でもそうだ。たまに“蛮高的”(とっても高い)“好漂亮”(とってもきれいだ)のような方言チックな表現を使うのも楽しい。

中国語をたくさんインプットする
『体験的中国語の学び方―わたしと中国語、中国とのかかわり』
荒川 清秀 (同学社)



北京の運ちゃんのおしゃべりは偉い先生でも分からないものなのですね。
“好漂亮”のどこが方言チックなのか分からずにしばらくキョトンとしてました。
ひょっとして普通は“很漂亮”って本当に言ってるんですね。あれって「テキストには載ってるけど実際は使わない表現」なのかと思ってた。槑槑


語彙について

よく自分はこれだけ中国語の単語を知っているといって自慢する人がいる。たくさん語彙を知っていることは悪いことではない。しかし、語彙の量だけを誇っていてはいけない。問題はその語彙のうち自由に使える語がどれだけあるかである。ネイティブスピーカーといわれる人たちが話す中国語を聞いていると、そんなに難しい単語を使っているように見えないことがある。しかし、すらすら中国語が出てくる(当たり前か)。それは、一つ一つの語の意味の幅がわかっていて、かつそれがどんな語と結びつくか、さらには、そうしてできた文を別の文とどうやってつないでいくかがわかっているからである。中国語をすらすら話すためには、このあたりをより意識的に学ぶ必要がある。

語彙の学習
『体験的中国語の学び方―わたしと中国語、中国とのかかわり』
荒川 清秀 (同学社)



人一倍記憶力と語彙量がない私。なぐさめていただいたような心地です。

その他おすすめのテキストや百度やgoogleでの検索の仕方が詳しく書いてあって役立ちます。
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2010年 01月 10日 |
タイトル通り唐代の人々は漢詩(というか唐詩ですか)をどんな発音で詠んでいたのか考察する本です。

中国語の音韻について、目からウロコが何枚も落ちるようなことがいっぱい書いてありました。現代中国語の学習者にも有用な本だと思います。

とにかく漢文の素養のない私、最初のほうに「江南春」の訓読が載ってるのですが、


南朝四百八十寺

って

ナンチョウシヒャクハッシンジ


って読むのですね。教えてもらわなければ「なんちょうよんひゃくはちじゅうじ」と読むところでした。

この「十」をなぜ日本語で「シン」と訓読するのかの追及がとても面白かった。べつに日本人が訛ってるとかじゃなくて、ちゃんと中国の学説にのっとって読んでるそうです。
しかし現代中国でもこの部分の「十」は普通と違う発音で読むのでしょうか・・・


こういう本は図表が理解のポイントになりますが、四声の変遷の図表がとても分かりやすい。この本のいちばんの読みどころです。

四声の研究者として陳寅恪の説が引かれてたりして、陳先生いろんな研究してるんですね。


中国語にはかつて「有声音」(日本語でいう濁音、現代の標準中国語はすべて「無声音」で「有声音」はないの)があったようなのですが、その証拠が「群」の日本語音「グン」に残ってるとか面白かった。(いまの標準中国語だと「qun」で無声音)
陳群さんの名前も有声音で発音していたのでしょうか。


最後に杜牧の「江南春」などの復元が載ってます。残念ながら発音は載ってますが音声ファイルがついてません。あとがきにユーチューブで聞けるようにしたいと書いてありましたが。待ち遠しいですね。


この本とは無関係だと思いますが、youtubeに中古漢語で唐詩を朗読してる人たちがいるのを見つけました。

私にはホーロー語に聞こえるが・・・「十」の発音とか。
「月」が「ng-」で始まっててビックリしましたが、客家とかも「ng-」なんですね・・・ちょっと方言研究にハマりそう・・・

他の人は「広東語に聞こえる(by台湾人)」とか「台湾語に聞こえる(by香港人)」とかコメントつけてる。「中国語のどっかの方言」に聞こえるってことでしょうかね。

でも最初は驚くけど、よく聞くとたしかに「將進酒」だと分かりますね。


李白 將進酒 中古漢語朗讀





もっとスゴイのは詩経の上古漢語朗読です。これは・・・イスラム語かと思った・・・

そういえば二重子音については『中国の諸言語―歴史と現況』とかにも書いてありましたが、実際に聞くと衝撃的です。

《關雎》は「レッドクリフ」で関羽が子供たちに教えてた詩ですね、映画では現代中国語でしたが。


《關雎》上古漢語朗讀




これとは別に「上古漢語歌詩経玄鳥」っていうのがアップされてて、それがどういうわけか日本語みたいに聞こえるんですよ。コメントにも日本語みたいとか韓国語みたいとかフランス語みたいって書かれてて、よく見ると作者は日本人のようです。

上古漢語でも「日本口音」って出ちゃうものなのねえ・・・とちょっとしんみりしました。


いっしょうけんめい上古漢語取得してタイムトラベルしても曹操様に「汝何有“矮國口音”邪?」とか指摘されちゃうのかしら。
(「尋秦記」の古天楽は広東語で通じてたようだが)
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2009年 02月 17日 |
続きです。

古代中国語の説明もあるのですが、短い。
あんまり資料がないんでしょうか。


古代中国語はどのような音だったのだろうか。今も、多くのことが推測の域にとどまっている。(略)
しかし古代中国語には同じような情報がないので、その言語が一体声調を持っていたのかどうかということすら分からない。実際に、声調はなかったと主張している言語学者もいる。もし、彼らが正しいなら、中国語の声調は、音節末の何等かの子音の区別が失われたときに一種の言語的代償として、ずっと後になってから発達したことになる。(略)



kl-とかdr-という二重子音があったとか、接尾子音に-sやr-rや-gがあったとか、母音が四つしかなかったとかいろいろな説があるそうです。


声調がなくて母音が少なくて、子音で終わる古代の中国語ってどんなだったんでしょうね~。
そんなに音が変わっても同じ漢字を使いつづけるってなんだかすごい。


前回エントリー
『中国の諸言語―歴史と現況』  ウナギ文
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