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2011年 04月 14日 |
d0127061_19581220.jpg《露西的意外人生 The Story of Lucy Gault》

作者:威廉‧崔佛 William Trevor
譯者:繆靜玫
出版社:新苗




どうも中国の小説が合わないらしく、何を読んでも大して面白いと思えません。
でも文章の上達のためには読書がいちばん。

中国語の面白い本がないなら、自分が好きな作家の中文訳を読めばいいのでは?と思って、ウィリアム・トレヴァーの作品を読んでみました。

ウィリアム・トレヴァーは短編の名手と認識してたのですが、台湾では長編作家として知られてるのでしょうか。
《露西的意外人生 The Story of Lucy Gault》はイギリスでいくつも賞をとった長編で、日本語未訳ということもあって、読むのをとても楽しみにしてました。

そして読んでみたところ・・・とても淡々としています。
一家離散という悲しい出来事があり、家族はそれぞれ哀しみのうちに生きていくのですが、本当に淡々としています。
この淡々がトレヴァーの持ち味よね、と思いつつも、とても淡々としているのでだんだん眠くなってしまい、ところどころ何が書いてあったか思い出せません。

と言いつつも、読み終わってだいぶたってから急にある場面を思い出したりしてるので、それなりに読書の意味はあったようです。
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2011年 04月 11日 |
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《蔡康永的说话之道》
沈阳出版社



《蔡康永的説話之道》は台湾でも大陸でも長い間ベストセラーリストに載ってて、まだ書店でヒラ積みになってたので買ってみました。

トークショーの司会者が「話し方」を教えてくれる本です。

日本人から見ると中国人はあまり気を使わずに思ったままを口にしてるように思えますが、この手の本がベストセラーになるということは、中国人も悩んでいるのでしょうか。

内容は日本でもよくある「人に好かれる話し方」と同じようなものです。
相手の気持ちになって話す、専門用語ばかり使わない、金を使うより心を使うなど常識的なことが多かった。

1章が短くて文章も読みやすいので、中級くらいの閲読練習には良いと思います。
私が読んだのは大陸版なので、あまりにも台湾國語な単語には注釈がついてて便利でした。


けど蔡康永って好き放題に喋ってるようでいて、けっこう細心な人なんですね(当たり前か)
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2011年 03月 21日 |
「30位中日博友的共同心願」の副題通り、30人のブロガーの散文集です。

中国語のテキストって、型にはまった表現しか載ってなくて、だんだん飽きてきませんか?
でも普通の人の文章を読みたいなあと思っても、訳文がないと細かいニュアンスが分からなくて手が出しにくいですよね。

この本は一般老百姓が日常生活で感じたことが書かれているので、理解しやすいと思います。
日本語中国語併記なので、見比べて読めるので中国語(日本語)学習中の方にも良いのではないでしょうか。
原文も翻訳もプロの手になるものではないので、素朴な味わいがあります。

私はとくに日本で就職した中国人女性が「お茶当番」や電話の応対に戸惑うエピソードが微笑ましく、共感を覚えました。


tubomimさんのブログ在日中国人女性の随筆から入手できます。

売り上げを震災被災者への義援金として赤十字宛に寄付されてるそうです。
普通の人の草の根の日中交流に心が温かくなったのでご紹介しました。
(べつに関係者でも友達でもないのですが・・・勝手に読んで勝手に紹介しました)





しばらく留守にします。
私は元気ですので、みなさんもどうぞ日々の生活を楽しんでくださいね。
(と言ってもすぐ戻ってきますけど)
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2011年 01月 28日 |
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「三国三人行︰大嘴侃三国(附贈光盤)」
作者:梁宏達.紀連海.阿憶
出版社:安徽文藝出版社



白状します。「鏘鏘三人行」と間違えて買いました。

ドラマ新版「三国」のプロモーションの一環として安徽衛星テレビが企画した番組を書籍化したもののようです。スタイルはまんま「鏘鏘三人行」のパクリ。

本と付属光盤で1セット。光盤はDVDかと思ったらCDでした。

番組の内容は「三国演義について、三人の文人が縦横無尽に語りつくす」。
本のまえがきにも書いてありますが、三人とも醜男です。(本人が言ってるんだから・・・)
醜男三人組が英雄にツッコミを入れるというのが売りみたい。

でも「三国演義」についてのツッコミって、結局は羅貫中に対するよくあるツッコミになってしまうのですよね。
マニアには物足りない番組なんじゃないかしら・・・

北方人が猛スピードで喋る番組なので、CDは聴力の訓練に重宝しそうです。





「此周瑜非彼周瑜」って回は周瑜がさぞかしこきおろされるのだろうと覚悟して聞いたら、かなり褒められてました。
なぜかと思ったら、安徽衛星テレビの製作だからですね。「周瑜は郷土(安徽省)の誇り」なんですって。

網友の「周瑜に対する間違った認識を改めさせるために日夜努力している」というメッセージが感動的でした。


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2010年 01月 09日 |
易中天「品三国」のタネ本シリーズ、これでたぶん最後です。
陳寅恪とは寅年らしいめでたいお名前ですね。(無関係)

すごく面白い本のような気がするが、文章が難しくてよく分かりません。そして魏は最初のほうだけなの。もっと頭がよかったら全編まんべんなく楽しめるのになー、残念。

三国関係は


第一篇 魏晋统治者的社会阶级(附论吴、蜀)
第二篇 罢州郡武备与封建制度
第三篇 清谈误国(附“格义”)
第四篇 西晋末年的天师道活动



のあたり。


「第一篇 魏晋统治者的社会阶级」の「第一节 魏晋统治者社会阶级的区别」が興味深かった(が、難しかった)



魏晋统治者的社会阶级是不同的。不同处在于:河内司马氏为地方上的豪族,儒家的信徒:魏皇室谯县曹氏则出身于非儒家的寒族。魏、晋的兴亡递嬗,不是司马、而是儒家豪族与非儒家的寒族的胜败问题。

陈寅恪《魏晋南北朝史讲演录》
第一篇 魏晋统治者的社会阶级
第一节 魏晋统治者社会阶级的区别



(訳してみた)

魏晋の統治者は違う階級の出身だった。河内司馬氏は地方の豪族で儒家の信奉者であり、魏皇室の譙県曹氏は非儒家の寒族出身だった。魏から晋へと勢力が移ったのは、司馬氏と曹氏の勝敗の問題ではなく、儒家豪族と非儒家的寒族の勝敗の問題だった。

陳寅恪『魏晋南北朝史講演録』





節約はたんに個人的な趣味ではなく階級闘争にかかわりがあったそうです。



曹操如此厉行节俭,与他出身于寒族及当时经济的破坏虽有关系,但更重要的是要摧破豪族的奢侈之风。
儒家豪族尚奢侈,曹操尚节俭,只是曹操与儒家豪族对立的一个侧面。曹操要在汉末取刘氏皇位而代之,最为重要的是要摧破儒家豪族的精神堡垒,即汉代传统的儒家思想,然后才可以获得成功。

陈寅恪《魏晋南北朝史讲演录》



(訳してみた)

曹操がこのように節約を断行したのは、彼が寒族の出身であったことや当時の経済の悪化とも関係があるが、さらに重要な目的は豪族の奢侈の風を根絶することだった。
儒家豪族が奢侈に流れるほど、曹操は節約を進める、これは曹操と儒家豪族の対立の一面にすぎない。漢末期、曹操が劉氏に代わって帝位につくために豪族の精神的基盤、つまり漢代の伝統的な儒家思想を破壊することがもっとも重要だった。そうしてはじめて成功を収めることができるのだ。

陳寅恪『魏晋南北朝史講演録』



郭嘉が気に入られてたのは才能だけじゃなくって、寒族(私の脳内設定ではGJは寒族出身で荀彧との交際を反対されている、本当に寒族だったかどうかは知りません)だったからなんでしょうか。

郭嘉を後継者にしたいというのも、儒家の名門は信頼できないので寒族(本当に寒族だったかどうかは知りません)に跡を継がせたいってことだったんでしょうか。




曹操为一代之枭杰,他不仅得到了众多有才能的寒族人物的支持,而且得到了部分有才能的豪族士大夫的支持,如荀彧、荀攸。(略)
荀彧认为袁绍不能有所作为,遂舍袁从曹。他还为曹操引进了不少士大夫阶级的人物。然而,作为一个阶级来说,儒家豪族是与寒族出身的曹氏对立的。官渡一战,曹氏胜,袁氏败,儒家豪族阶级不得不暂时隐忍屈辱。但乘机恢复的想法,未尝一刻抛弃。曹操死后,他们找到了司马懿,支持司马懿向曹氏展开了夺权斗争。袁绍是有后继人的,他的继承人就是司马懿。袁绍的失败只表明儒家豪族暂时受到了挫折。后来,他们通过司马懿父子之手,终于把政权夺回到了自己的手上。

陈寅恪《魏晋南北朝史讲演录》


(訳してみた)

一代の梟雄曹操は、多くの才能ある寒族たちの支持を得ただけでなく、一部の才能ある豪族士大夫の支持も得た。荀彧、荀攸などである。(略)
荀彧は袁紹は成功しないと考え、袁紹を捨てて曹操についた。彼はまた曹操のために多くの士大夫階級の人物を引き入れた。しかし階級として見れば、儒家豪族は寒族出身の曹氏と対立していたのだ。官渡の戦いで曹氏が勝ち、袁氏が負けたため、儒家豪族階級はしばらく屈辱を耐え忍ばなければならなかった。だが機に乗じて盛り返そうという考えを捨てたことはなかった。曹操が死んだあと、彼らは司馬懿を見つけ出し、司馬懿を支持して曹氏との政権闘争を繰り広げた。袁紹には後継者がいたのだ、司馬懿こそ彼の跡継ぎだ。袁紹が失敗しても儒家豪族は一時的に挫折しただけにすぎない。彼らは司馬懿父子を通じてついに政権を自分たちの手に取り戻したのだ。

陳寅恪『魏晋南北朝史講演録』



袁紹の後継者が司馬懿だったというところに「おお!」と思いました。

荀君は儒家豪族階級の裏切り者だったのですね・・・
しかし荀彧の六男・荀顗についてはこう書かれています。



西晋有三大孝:王祥、何曾、荀顗。《三国志・魏志》四《陈留王奂传》云:

三月丁丑,以司空王祥为太尉,征北将军何曾为司徒,尚书左仆射荀顗为司空。己卯,进晋公爵为王,封十郡,并前二十。

这三大孝同日被拜为三公,位望之隆,仅次于晋王司马昭。他们都出身于儒家豪族,都崇奉儒家名教,都是司马氏的党与,与司马氏一起组成西晋的统治集团。

陈寅恪《魏晋南北朝史讲演录》


(訳してみた)

西晋には三大孝子がいた。王祥、何曾、荀顗である。『三国志・魏志』四『陳留王奐伝』に曰く

三月丁丑,以司空王祥為太尉,征北將軍何曾為司徒,尚書左僕射荀顗為司空。己卯,進晉公爵為王,封十郡,並前二十。

これらの三大孝子は同じ日に三公を拝し、晋王・司馬昭につぐ高位に上った。彼らはいずれも儒家豪族で儒家の道徳を信奉していた。司馬氏の一味であり、司馬氏と徒党を組んで西晋の統治集団となったのだ。

陳寅恪『魏晋南北朝史講演録』



荀家は曹操についてたあいだは儒教をガマンしてたけど、けっきょく同類の司馬氏と組むほうが上手くいったんですかねー。どっちにしてもうまいことやった一族。

この本は一貫して「階級」について書かれてて面白い。
西晋で拝金主義が横行して銭のことを「孔方兄」と呼んで親しんだとか勉強になる。
(穴あき銭を「四角い(方)穴のある(孔)アニキ」と呼んでたんでしょうね)


タネ本シリーズファイナルかと思ったら、まだ田余慶が残ってました。でもamazonで《东晋门阀政治》も《秦汉魏晋史探微》も品切れで残念。


易中天「品三国」のタネ本シリーズ

呂思勉《三国史話--跟大師学国学》
《曹操伝》 張作耀 ① 謝襲費亭侯表
周澤雄 《三国(現代版)》



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