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2010年 12月 31日 |
このあたりには珍しく雪の大晦日になりました。
お正月の買い物で繁華街あたりはにぎやかでしたが、うちの近所はとても静かです。

今年もたくさんの方にブログを訪問していただきました。
来てくださった人数は(たぶん)31,462人次。

みなさんへのお礼を込めて、例年どおり、中国で環境保護活動をしている団体およびホームレス支援団体に、計31,462円程度を寄付させていただきます。

今年もありがとうございました。
祝大家風和兔躍開新運!
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2010年 12月 29日 |
「ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること」

ケンカ売ってるのか?と思うようなタイトルですね。
書評で下記部分の引用を見て、興味を持ったので読んでみました。



ちゃんと読むのが難しくなってきたという話をすると、多くの友人たちが、自分も同じつらさを抱えていると答えるのである。ウェブ使用率が高い者ほど、長い文章に集中するのがたいへんだと訴える。
「ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること」
ニコラス・G・カー (著), 篠儀直子 (翻訳) (青土社)


そうなのよ、年々長い文章が読めなくなってくるんですよ。
私の長年の(ということはぜんぜん実現していない夢は)「失われた時を求めて」の再読と、「アンナ・カレーニナ」の読破なのに、このままだと決して実現しない夢で終わってしまいそうで、ちょっと恐怖を覚えていたんです。

この本によると、インターネットに慣れると、ますます短い文章しか受付けられなくなるそうです。それはインターネットが脳を変えてしまうからなんですって。
恥ずかしながら、「道具が脳を変える」という考え方があることすら知りませんでした。*

どんな風に変わっちゃうかというと


ツイッターでつぶやけば、新たなフォロワーができる。ブログを書けば、読者からコメントをもらったり、他のブロガーにリンクを張ってもらえたりする。ネットの双方向性のおかげでわれわれは、情報を探し、自分を表現し、他人と会話する強力なツールが手に入るわけだ。だがわれわれは同時にネットのせいで、社会的・知的刺激というエサを得るためのレバーを押しつづける、実験室のラットのごときものへと変えられてしまっている。



作者は決してパソコン音痴のアナログ頑固老人とかではなく、自身もインターネットの恩恵を受けてる人なので説得力があります。
怖いな、と思ったのは、インターネットを使ってると、注意散漫にならざるを得ないという点。
ウェブサイトを見てると、常に視界に動画や、点滅する広告や、派手な色の文字が入ってきて、まったく集中できませんよね。
で、集中できなくとどうなるかというと



穏やかで注意力ある精神を必要とするのは、深い思考だけではない。共感や同情もそうなのだ。(略)
脳が「身体の直接的関与を超越」して、「状況の心理的・道徳的側面」を理解し、感じはじめるには、時間がかかるということがわかったのだ。
研究チームの言によれば、この実験が明らかにしているのは、注意散漫になればなるほど、われわれは最も微妙で、最も人間独特のものである感情形態、すなわち共感や同情などを、経験できなくなっていくということである。



極端に言えば、ネットに耽溺してると、思いやりがなくなるってことでしょうか。
怖いですよね。


憂慮すべき点は、人間を上回る思考能力を持った、驚異的にクールな機械を作りたいという彼らの少年のような欲望ではなく、そのような欲望を生み出した、人間の精神についての彼らの偏狭なイメージなのである。



ものすごい偏見なのは分かってるんですけど、コンピュータを開発するようなクレバーでスマートな理系の若者って、人間の弱さとか醜さとか哀れさとかをよく知らんのじゃないか・・・と思っちゃうことがよくあるんです。
いや決して自分が人間性について熟知してるとか言いたいわけじゃなくて、私程度の浅い人生経験の持ち主から見ても、賢い理系の人の卓越した思考力と想像力って人間の上には及ばないのかと思わされることが多々あってですねえ・・・


で、この本の中で、「電子ブックが登場すれば、もうプルーストやトルストイの退屈な小説に我慢する必要はなくなる」(うろ覚え)とか言ってる人(作者ではなくて他の人)がいて、小説を読むのが喜びでない人にとっては、大長編小説なんて時間の無駄でしかないんだろうなあと思わされました。

ちょっと闘志が湧いたので、来年は絶対トルストイを読みます。サッカレーも読む。


*よく考えたら、「プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか? 」で道具が脳を変える説を読んだんでした。健忘症すぎる。
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2010年 12月 28日 |
「中国世紀末逸聞」



世紀末といっても19世紀末、清朝のころの話です。
タネ本は「清朝野史大観」だそうですが、固有名詞がなければ、どの時代か分かりません、漢代と言っても唐代と言っても通りそうな話ばかりです。道士が不思議な技をつかったり、役人が横領したり、未亡人が隣の美男子とデキたり。

中国って面白いなあという気持ちにはとてもなれず、数千年も変わらずこんなことやっててアヘン戦争で負けたのね・・・と暗い気持ちで読みました。役人が賄賂取って豪勢な料理を食べる話なんて、21世紀も同じことやってるし。

こんな話が最後にありました。

同じ年の七月のある朝、両江総督であった馬新貽が練兵場で行なわれた射撃訓練を視察している最中、突然おどりでたひとりの老人に、鋭利な短刀で胸をひと突きされて即死するという事件がおきた。この老人は河南省汝南の生まれの張天祥という。

「エピローグ」
「中国世紀末逸聞」
西村 康彦 (筑摩書房)



こりゃ「投名状」のモデルになった「刺馬案」じゃないですか。張天祥って老人だったんですね・・・金城くんの初々しい姿は虚構か。

ところで馬新貽の後任って曾國藩だったと初めて知りました。曾國藩っていろいろ大変だったのねえ。
(wikiの「刺馬案」では殺されたのが「馬新貽」、犯人は「張汶祥」になってる)




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2010年 12月 27日 |
「江馬細香―化政期の女流詩人」
門 玲子(藤原書店)

田中優子氏の書評が好きで、「今週の本棚」をいつも楽しみに読んでいます。
そこで紹介されてた作品

今週の本棚:田中優子・評 『江馬細香--化政期の女流詩人』=門玲子・著



(ちゃんとした書評は上記をお読みください)


読んでる間ずーっと驚きっぱなしだったので、驚いた部分を書いてみます。

江戸時代に女性の漢詩人がいたなんてまったく知らなかったので驚いた。
「三従総欠一生涯」なんて言い切っちゃった女性がいたことに驚いた。
頼山陽に女弟子がいたなんて驚いた。
頼山陽の(プラトニックなものと思われますが)恋人だったというのに驚いた。
彼には奥さんがいたのですが、三人で仲良く交際して、周囲も不倫だとか目くじら立てずに暖かく見守っていたようで驚いた。
地方在住(いまの岐阜県大垣市)の女性が、わりと簡単に京都へ旅行できたというのに驚いた。
文化の中心は江戸だけじゃなかったというのに驚いた。(京都って都会だったんですね)
江戸時代の地方文化の層の厚さと豊かさに驚いた。
お父さんが蘭学医で、一生を洋書の翻訳に捧げていたのに驚いた。
にも関わらず子女の教育は儒学だったというのに驚いた。
宗教的には無神論者に近かったというのに驚いた(儒学者は無神論らしい)
「細香」というのは字(あざな)だそうです。日本女性にも字(あざな)があったというのも驚き。

漢詩もたくさん収録されてるのですが、漢詩なのに詠まれてる情景は日本の女性の日々の暮らしだったりして、懐かしい感じ。

こういう本が埋もれずに再出版されて本当によかったと思います。
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2010年 12月 25日 |
「モンガに散る」(原題:艋舺)がついに公開になりましたね!
見てきました。クリスマス・イブにヤクザ映画見る意味って・・・
意義是三小~!!りんべ只知道義氣(病)


友人にムリヤリ薦めまくってますが、真に受けて見てくれた人はみんな「すごく面白かった!」と言ってくれてるので嬉しい。
オシャレで泥臭くてカッコ良くて情けない青春映画です。ふだん台湾映画を見ない方も絶対ソンしないのでぜひ映画館でご覧になってください。


そして、ついさっき友人に教えてもらったのですが、インファナル・アフェア一挙上映(こちら)という楽しそうな企画もあるんですね。一挙に見たらクラクラしそう。
でも「無間道」の歌を大画面で聞きたいので観に行くかも知れません。♪もうーがーんどーーー


電影《艋舺 / MONGA》正式預告片 (official trailer)




無間道(粵) 劉德華&梁朝偉




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2010年 12月 24日 |
「海炭市叙景」
佐藤 泰志(小学館)


きれいな響きのタイトルです。
「ハイタンシー・シュージンかあ・・・きれいなタイトルだなあ」と感心して、しばらくして「あ、違う違う、これはえーっと・・・ハイタンシー・シュージン?」というのを何度も繰り返しています。いまだに読み方が分からない。

静かで美しい連作短編でした。
北海道在住の作家の作品というのは忍耐強くて静謐なものが多いような。

タイトルも著者名も忘れちゃったけど、中国人妻と見合い結婚する北海道の酪農家の小説も良かった。(しかし、ぜんぜん覚えてないって一体・・・)
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2010年 12月 22日 |
「悩ましい翻訳語―科学用語の由来と誤訳」


出版社/著者からの内容紹介引用
「恐竜」は誤訳である。
ベストセラー「利己的な遺伝子」等の翻訳で知られる著者が、あまたの憂うべき誤訳・迷訳の中から、49の重要用語に注目。誤りの原因を丹念に調べ、現状の混乱ぶりを描き出す。滋味溢れる博覧強記の翻訳《語》エッセイ。

いろいろ面白いうんちくが傾けられています。勉強になりました。

日本語訳の『聖書』に登場する「いなご」について。


残念ながら、厳密に言えば、これは誤訳である。英訳『聖書』ではlocustとなっているのだが、この単語は、バッタ類を指すものであって、イナゴではない。
(略)
群生相のバッタは大集団をなして移動し、その通り道にある田畑に壊滅的な被害を与える。これを中国では飛蝗(ひこう)と呼んでいる。トノサマバッタもこの仲間で、明治時代の北海道などで飛蝗の例がごく少数知られているものの、ふつう日本では群生型のバッタはめったに見られない。そのため、中国の知識を移植した日本では、「蝗」の字を、しばしば大発生してイネを害するイナゴ(稲子)やウンカ(雲霞、浮塵子)の類であると解釈した。(略)
明治時代にプロテスタント諸派が和訳『聖書』をつくるために翻訳委員会を組織したが、翻訳作業の中心メンバーの一人は、ローマ字表記の父、J・C・ヘボンだった。ヘボンが時間の節約のためにすでにあった漢訳『聖書』からの転訳をもとにしていた(略)。

イナゴ locust
「悩ましい翻訳語―科学用語の由来と誤訳」
垂水 雄二 (八坂書房)



日本の農作物で被害が大きいと言えば稲ですもんね、中国語の「蝗」が「イナゴ」と理解されたのも無理はないのでは。
でも中国の史書によく出てくる「飛蝗」ってバッタだったんですね・・・分かってるつもりで分かってない中国事情・・・

西洋の言語から日本語に翻訳された動植物名には中国経由のものもあったというのが意外でした。
なんとなく清代あたりの中国=ダメダメな国って先入観があって・・・でもちゃんと西洋文明の研究もしてたんですね。
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2010年 12月 19日 |
早いもので今年もあと1ヶ月を切りました。
拙ブログの検索キーワードで2010年をふりかえってみようと思いついたので書いてみます。

エキサイトブログのアクセス解析には月ごとの検索ワードランキングが10位まで表示されます。
その中から、その月を象徴するキーワードを3つずつ選んでみました。
(何かの役に立つかというと、何の役にも立ちません)

(以下どうでもいい話題でもOKと言う方はどうぞ)


2009年12月
■曹操の墓
■曹操高陵
■安豊郷西高穴村
この月は最後数日で突然アクセスが増えてビックリでした。検索キーワードも墓ばっかり。
曹操墓発見からもう1年なんですね(しかし主観的時間では5年くらい経った気がする)

2010年1月
■火鳳三国
■魯潜
■曹操 陵墓
どの月もたいてい一番多い検索ワードは「火鳳燎原」なのですが、この月あたりからゲームの検索が多くなってます。

2月
■胡軍
■終極三國
■English Pronunciation in Use
このころ胡軍に何かあったんでしょうか。
「English Pronunciation in Use」のAdvancedまで買ったのに封も開けてません。

3月
■呂蒙 火鳳燎原
■荀彧 火鳳
■郭荀
呂蒙が初のランクイン。
オラオラホストとか失礼なことを言ってたこの頃は、まさか呂蒙ばっかりのブログになるとは思いもせず・・・

4月
■金勤
■三国演義 アニメ
■新版三国
金勤くんの検索が多かったのは、『桃花タイフーン!!』の放映のためでしょうか。そういえば「孽子」のドラマDVD見終わりました。レビューはたぶん来年(誰に報告してるんだ)。

5月
■孔融 娘
■龍陽君始末記
■辮髪 ドラマ
最初の「孔融 娘」が謎すぎる・・・。

6月
■曹操高陵
■龍陽君始末記
■アニメ三国演義
梅雨時のせいか、まとめやすい髪型の辮髪に興味のある人が多かったようです。

7月
■カラー音節表による中国語発音のすべて
■聴読中国語
■郭荀
まともな中国語学習者も訪問してくれるブログなのです。えへん。
「郭荀」は毎月ランクインして私を喜ばせてくれるのですが、来てくれた人はがっかりしてるだろうなーと思うと申し訳ない気もします。釣りタグだと気づいていましたか皆さん。

8月
■火鳳三國Online
■新版三国
■凌統受
最後のキーワードで来て下さった人はどうやってたどりつかれたのか・・・。初めて見たときあまりにショックだったので、みなさんと共有してみました。

9月
■三国カオス
■新三国 ドラマ 劉備
■高順
新三国の劉備は本当におすすめですよ!
三国カオス大好評のようですね。(知らんけど)

10月
■三国 新版
■レッドクリフ セリフ
■5万元って日本円でいくら?
最後のは・・・ヤフーのレート計算サイトとかを見たほうが早いのにと思いました。

11月
■張博
■新浪微博
■我的唐兄弟
ついに「張博」がベスト10入り!おめでとう!!やはりNHK地上波はすごいですね。

12月
■呂蒙 常
■張博
■策瑜 18
今月はまだ途中なんですけど、「呂蒙 常」という素直な検索に感動しました。「常鋮」って漢字をタイピングするのが面倒なときは私も「呂蒙 常」で検索しています。同志!
ところで「18」って何でしょう?



みなさん今年もいろいろな検索ワードで楽しませてくださってありがとうございます。来年も楽しい検索ワードが見れますように。
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2010年 12月 16日 |
「翻訳の基本―原文どおりに日本語に」
宮脇 孝雄(研究社出版)


勉強になる本でした。

気をつけようと思ったところ:
作者が使っていない単語に注意する(ex:美しいものを描写するときに「美しい」を使わない)、やたらと疑問文にしない、「ですます」体は難しい、「~のだ。」で終わらない、「~してやった」(ex:笑ってやった、言ってやった)は多用しない、「さわやか」ばかり使わず「爽快」「すっきりした」など言い換えを工夫する。

sweetsについてこんな記述が



英国系航空会社の飛行機に乗ると、スチュワーデスが、
「sweetsはいかがですか?」
といいながら、通路を歩いてくる。このsweets(複数形)というのは飴やキャンディのことだが、ご承知のように、sweetsという名詞には「デザート」という意味もある。
(略)
ところが、デザートをsweetsというのは、イギリスでは、中流に届かない階層の人々であるといわれている。親しみやすいが、改まった席では使われない。

Ⅱ イギリス言葉にご用心
「翻訳の基本―原文どおりに日本語に」
宮脇 孝雄(研究社出版)



「中流に届かない階層」というのはワーキング・クラスってことでしょうか。
私は労働者階級なので「スイーツ」を使っても良いのね。
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2010年 12月 11日 |
「漢文力」
加藤 徹(中央公論新社)

漢文といっても論語とかだけじゃなくて仏典まで収録されてて興味深い本でした。
こんなのがあったんです。


六祖,因風颺剎幡。有二僧,對論。一云「幡動」。一云「風動」。往復曾未契理。祖云「不是風動,不是幡動。仁者心動。」二僧悚然。(無門關)



二人の僧が旗が風にはためいているのを見て「旗が動いている」「風が動いている」と言い争いをしてたんですって。
で、六祖(惠能)が「お二人の心が動いているんです」と二人をギャフンと言わせました。

あ~!東邪西毒のイントロの
「佛祖有云,旗未動,風也未動,是人的心自己在動」
ってはこれのことだったんですね!!

禅問答だったのか・・・道理でワケわからんと思った。ウォン・カーワイだから意味不明なのかと誤解してた。





この最初に出てくる漢文ですね。続きはDVD買って見てね。


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