カテゴリ:■小説・散文・詩文( 89 )
|
|
2016年 09月 18日 |

(「氷と炎の歌」について盛大にネタバレしています。各自回避お願いします)





いま「氷と炎の歌」の第五部を読んでいるのですが、途中でダヴォスが消えてしまったのでやる気をなくしていたところ、突然ジョン・コニントン(Jon Connington)という人物が表れてスタニス不在のストームランズを襲撃してます。
彼が上陸したのが怒りの岬(Cape Wrath)で、ここはダヴォスの領地があるところなのです。玉葱騎士の留守宅が襲われたんだったらどうしようとハラハラしたのですが、ジョン・コニントンが取ったのはグリフィンズ・ルースト(Griffin's Roost)という城でした。

ジョン・コニントンって聞き覚えがあるけど誰だったっけ?と思ってググってみて分かったのは、彼は狂王エイリスの「王の手」だったということ。
狂王エイリスはタイウィン・ラニスターに捨てられてから4人の王の手を任命していますが。いずれも失敗をしでかして死んだり解任されています。

ジョン・コニントンはロバート・バラシオンが反乱を起こしたあと、鐘の戦い(Battle of the Bells)でロバートを取り逃がしてしまい、王の手をクビになったようです。
戦後エッソスへ亡命、酔いどれになって死んだと信じられていたが、実は生きていて復讐のために戻ってきたってことらしい。
ジョンの失脚後コニントン家は狂王エイリスによって領地のほとんどを召し上げられ、ロバート王の即位後はさらにロードの地位まで失ったようです。

コニントン家はストームランズに所領があるんだからバラシオン家の旗手、つまりターガリエン家から見れば陪臣。そんな地方の小領主でも王の手になれるもんなのですね。手ってロード・パラマウントの独占業務かと思ってたよ。

wikiによるとジョン・コニントンはレイガー太子の親友で、王の手になる前は宮廷に出仕していたようなので、そのときエイリス王の目にとまったのでしょうか。ついでにwikiはジョンはゲイでレイガー太子に恋していたという不必要な情報まで教えてくれましたありがとう。


いやそれで怒りの岬(Cape Wrath)なんですけど、ダヴォスはストームズ・エンド包囲戦でスタニスを救ったあと騎士に任じられて怒りの岬に所領と城をもらっています。ダヴォスの城の名前がわからない。
スタニスはロバートに相談もせずにダヴォスを叙任したような印象を受けるのですが、よくそんなに都合よくすぐ住める城があったもんだと不思議に思っていたんですよ。
もしジョン・コニントンが去った直後の居城だったとしたら、今日から入居OKというのもあり得るのかも。


我ながらどうでもいい話でした。
なおダヴォスは一介の土地つき騎士から始まって、いま(第五部)ではロード・オブ・レインウッド、狭い海の提督、王の手(Lord of the Rainwood,Admiral of the Narrow Sea,Hand of the King)の称号を得ています。スタニスのご寵愛ぶりはエイリスのタイゥインに対する厚情より激しい(当社比)。



さらにすごくどうでもいいが、日本語訳では怒りの岬にケープ・ラスとフリガナが振られてて、見るたびにアメリカーンな気持ちになります。



スコットランドに怒りの岬という土地が本当にあるようです。
Cape Wrath/rɔːθ/
A headland at the north-western tip of the mainland of Scotland.



今日の記事はここまでです。多謝光顧!

[PR]
2015年 06月 26日 |
エマ・ワトソンが主演に決まったそうで盛り上がってるらしい小説「ザ・サークル」。
しばらく前に読んだのですが、善意の人々がボランティア精神で全員監視社会をつくりあげてしまう恐怖のディストピア小説でした。いまの監視社会って「1984年」のころよりもずっと手軽に実現しちゃうんですね。


出版社のサイトより

ザ・サークル

著者デイヴ・エガーズ
翻訳吉田 恭子

世界最高のインターネット・カンパニー、サークル。広くて明るいキャンパス、一流のシェフを揃えた無料のカフェテリア、熱意ある社員(サークラー)たちが生み出す新技術――そこにないものはない。どんなことも可能だ。 故郷での退屈な仕事を辞めてサークルに転職した二十四歳のメイは、才気あふれる同僚たちに囲まれて幸せな会社生活を送りはじめる。しかし、サークルで推奨されるソーシャルメディアでの活発な交流は、次第にメイの重荷になっていき…… 人間とインターネットの未来を予見して世界を戦慄させた、笑いと恐ろしさに満ちた傑作小説。



小説のメインストーリーと関係なく衝撃的だったのが、「アメリカにはアイルランド奴隷がいた」という話。
えー、まさか白人なのに奴隷なんて都市伝説か何か?と思いながら読み終わったのですが、その後しばらくしてからDworinのファンフィクションを読んでいたら(>意外な展開)、その作品のおすすめBGM にLaddie Are Ya Workinという曲が紹介されてました。
働く若者の歌で、放浪しながら人間にこき使われるドワーフにぴったりと思ったら、この曲がまさにアイルランド奴隷の労働歌だったのです。



どうですか、ディスとピア小説からファンフィクへ。無理やりすぎる展開でしたね。

Heather Alexander - Laddie Are Ya Workin'




Darkness hangin' in the sky in the morn
Moonlight dyin' as the sun is reborn
Crops are swayin' in an island of green
Hemp and teth and corn in between

Cut her low
Swing her 'round
Iron wire tightly bound
Thresh the teff by the morning lark
Lie in her arms in the still of dark
Laddie, are you workin'?

Sunlight shinin' on the heart of the land
Crops are bendin' to the part nature planned
Who'd be thinkin' that they'd end from that start
Cut and ripped and shredded apart?

Cut her low
Swing her 'round
Iron wire tightly bound
Thresh the teff by the morning lark
Lie in her arms in the still of dark
Laddie, are you workin'?

Stormclouds gather as the hands to the field
Raindrops scatter as the land's made to yield
Body's separate from its fine, golden head
Stalk and sheath and chafe for a bed

Cut her low
Swing her 'round
Iron wire tightly bound
Thresh the teff by the morning lark
Lie in her arms in the still of dark
Laddie, are you workin'?

Stars are twinklin' and the moon's risin' high
Dark is waitin' for the sunlight to die
Memories harken to the Emerald Isle
Sing and sleep and dream for a while

Cut her low
Swing her 'round
Iron wire tightly bound
Thresh the teff by the morning lark
Lie in her arms in the still of dark
Laddie, are you workin'?

Cut us low
Swing us 'round
Iron shackles tightly bound
Thrash your soul by the morning lark
Lie with your dreams in the dead of dark
Laddie, are you workin'?


今日の記事はここまでです。多謝光顧!

[PR]
2015年 06月 19日 |
(タイトルは釣りです)



TOEIC目標900などとうそぶいていたのですが、残念ながら力およばず。
でも仕事で必要な「十分なコミュニケーションレベル」のスコアはクリアしたので、これでTOEIC挑戦も終わりです。ちょっと名残惜しいですね(嘘)。


スコアを見てちょっと驚いたのですが、リスニングとリーディングが同点でした。
通常日本人はリスニングのほうが高いと思います。自分のこれまでのスコアもリスニングのほうがだいぶ高かった。
なぜ今回に限ってリーディングの成績が良かったのだろうか?
単純に問題が簡単だったのかも知れませんが、ふりかえってみると、ここ一年ものすごい大量の英語の文章を読んでるんですよ。これまでの人生の9割くらいの英文が過去一年に集中してるのではないかと。


理由は・・・
お分かりですね。スラッシュ小説です。(はいタイトル釣りでした)

海外のファンフィクションって大作が多く、とにかく長い。
Dworinは大長編はあまりないようですが(そもそも書く人も少ないし、読者も少ないから・・・)、それでも外国人には十分長い。

ファンフィクは身も蓋もない言い方をすれば「素人の書いた恋愛小説」なので、水準もまちまち。
ざっと目を通して、自分の好みの作品かどうかできるだけ早く見極める必要があります。(全部読むだけの時間も体力もなし、あまりにえげつないのを読んでしまうと精神的ダメージも大きい)


この「ざっと読んでみる」を繰り返すことで、TOEICに必要とされる以下の項目が鍛えられると思われます。

■「文書の中の情報をもとに推測できる」→dworinってタグだけど実は隠れバギンシールドじゃないのか?(非常によくある)

■「ひとつの文書の中でまたは複数の文書間でちりばめられた情報を関連付けることができる」→うーん、たとえばマハルって一般に言うアウレのこととかそういうのかな。うまい例が思いつかない。よくViliって呼ばれてる金髪のドワーフはDis姫の夫かな、とか?

■「文書の中の具体的な情報を見つけて理解できる」→具体的っていうか、Dwalinは taller dwarf(背が高いほうのドワーフ) とか older dwarf(年上のほうのドワーフ)と表現されることが多いのですが、こういう代名詞的な表現は慣れるまで誰を指してるか非英語圏の人間には分かりにくい。この文脈だとThorinはshorter dwarf(背がひくいほうの) とかyounger dwarf (若いほうの)になる。

■「語彙が理解できる」→専門用語多いから・・・人生に不要な単語をいろいろ覚えた。
有用だと思ったのはsibling(きょうだい)、spouse(配偶者)。こんな単語あるなんて知らなかった。

■「文法が理解できる」→書き手が英語ネイティブでないことも多く、構文を理解するのに手間取ることも。
でも、他のファンのために母語じゃない英語でがんばって書こうという心意気が美しくありがたい。



・・・何が書きたかったか分からなくなってしまった・・・
もうすぐDworin Weekなのでいてもたってもいられないブログ主の荒れ狂う心境をお察しください。

今日の記事はここまでです。多謝光顧!

[PR]
2015年 06月 18日 |
SFマガジン 2015年 04 月号(品切れ中)の「ハヤカワSF文庫総解説PART1」で懐かしいSF作品に再会し、もういちど読んでみたくなりました。

とくにエリザベス・A.リンの「アラン史略」のタイトルを見たとたん、若かりしころの思い出が・・・
・・・・・・よみがえりません・・・・・・
すごく好きなシリーズだった気がするのに抜群に面白かったことしか思い出せない。

近所の図書館には三部作のうち一冊しかなく、amazonをチェックしても古書ばかり(当然か)。
かつて置き場所に困って処分した本をまた古本で買いなおすというのもどうだろうか・・・自分の売った本かも知れんし・・・
とためらいながら、ふと魔が差してkindleをチェックしてみたら、原書がありました。
しかも一冊500円というお買い得価格。全シリーズ揃えても1500円。そのうえ本棚の負担にならず、おでかけさきで時間があまったときにも気軽に読める電子書籍。



これは「北の娘」ペーパーバックのカバー。
かっこいい。日本版のカバーもとても素敵です。


というわけで記憶の底に眠っていた絶版本も1秒待たずに読める便利な世の中ですが、まあたぶん当分読まないでしょう。

ダウンロードしただけでふたたび眠りにつくこのような本のことをなんと呼ぶのだろうか?
「積ん読」ならぬ「ダウンロー読」?



「ハヤカワSF文庫総解説PART1」は品切れになるのも納得の面白さでした。
目録とか総解説ってなんでこんなに読むのが楽しいのでしょうね。

私も「Dworin ファンフィクション全解説」書くねん!と心に誓った時代があったことを思い出しました。
Dworin Weekまでに着手できるといいな(需要なし)。



今日の記事はここまでです。多謝光顧!

[PR]
2015年 04月 09日 |
バックナンバーですが
S―Fマガジン2014年3月号──2013年度英米SF受賞作特集
を読みました。


アナログ誌読者賞ノヴェレット部門受賞の「九万頭の馬」( ショーン・マクマレン)が面白かった。
ブレッチリー・パークでドイツ軍の暗号を解読する女性数学者が主人公のスパイ小説。
ブレッチリー・パークといえばアラン・チューリングのいた研究所ですね。
天才数学者がメイドに変装してヨークシャーのお屋敷にもぐりこんで若旦那様が作っている秘密の機械を探るのです。ダウントン・アビーSF版みたいな設定です。
恋愛もちょっとあるのですが、そこをもう少し読みたかったわ・・・


この号にはネビュラ賞/ローカス賞ショート・ストーリー部門受賞の「没入」 (アリエット・ドボダール)も掲載されていました。
解説に豆瓣で中国語の公開翻訳を募集してるとあって、そういえばそんなことやってたなと思いだしました。

科幻的盛宴——2012年“星云奖”作品开放试译

“Immersion” by Aliette de Bodard (试译原文)

中国系東南アジア人を思わせるヒロインが銀河で生きるうちに見失った自分を再発見する話で、日本語訳を見ると中国語の単語も混ざってるようです。
これは中国語に翻訳しがいがありそう。
優秀な作品は出版されて報酬も通常よりたくさんもらえる予定だったようですが、結果はどうなったんでしょうね。



いっぽうのS―Fマガジンですが、女性の喋り方がずいぶん古めかしい作品があって(翻訳が悪いとかではなくて女性の口調が奇妙に思えた)、訳者はどんな人だろうと最後のほうにのってる執筆者一覧を見てちょっとびっくり。
S―Fマガジンってなぜか執筆者の生年も掲載されるのですが、多くが1950年代生まれ。若くても1970年代出生でした。

日本の若い人はSF雑誌には書かないのでしょうか。こりゃ隔月間になるはずだ・・・と悲しくなりました。
(という自分も図書館で借りてるのですが)


今日の記事はここまでです。多謝光顧!

[PR]
2014年 11月 29日 |
どうしたことでしょう、先日まで日本円で1000円以上していたKnight's Feeのキンドル版がいつのまにか105円になっています。

ブラック・フライデイなの?もう違うよね??
嬉しくてワンクリックしちゃいました。


Knight's Feeは日本語訳が「運命の騎士 」(ローズマリ・サトクリフ)のタイトルで発行されています。
今年いちばん良かった小説です。(「ホビット」の100倍は良かった)

みなさまもぜひ!

今日の記事はここまでです。多謝光顧!

[PR]
2014年 11月 27日 |
「さようなら、オレンジ」
岩城けい (筑摩書房)


出版社のサイトより
オーストラリアの田舎町に流れてきたアフリカ難民サリマは、夫に逃げられ、精肉作業場で働きつつ二人の息子を育てている。母語の読み書きすらままならない彼女は、職業訓練学校で英語を学びはじめる。そこには、自分の夢をなかばあきらめ夫について渡豪した日本人女性「ハリネズミ」との出会いが待っていた。第29回太宰治賞受賞作。


最初はアメリカが舞台かと思って読んでたのですが、オーストラリアでした。
主役のサリマは戦乱のアフリカから逃げてやっと精肉工場で仕事をみつけたものの、夫はこどもを置いて出て行ってしまい、息子たちは英語のできない母をバカにするようになる。
サリマは地元の訓練学校で英語を学ぶ・・・
って「マダム・イン・ニューヨーク」と似てますね。
英語ができないせいで差別される母というのは全世界的なテーマなのでしょうか。


誰にでも向いてる小説ではないかもしれませんが、私はとても楽しめました。
ヒロインの一人であるの日本人女性の設定がよく分からなかったのですが、(夫が大学に勤めていてとても恵まれているように思えるがどうやら非常に貧乏らしい。高学歴で英語で論文が書けるほどなのに、無学な外国人労働者と同じレベルの英語しかしゃべれないetc)たぶん作者にとっては切実な問題を扱っているのでしょう。
でもサリマがとても素晴らしい女性で、ちょっとした場面がとても良くて、読んでよかったと思えます。


その日本人女性が履歴書をいくら送っても不採用なので、ひょっとしてと思って電話帳で地元でいちばん多い姓を調べてその苗字で応募したらじゃんじゃか連絡が来た、東洋人って名前で差別されるのね、という場面があるのです。
町でいちばん多い姓というのがマッケンジーでした。いやマクタビッシュだったかも。とにかくマクなんとかばっかりの町という設定だったのですが、オーストラリアってスコットランド移民が多いのでしょうか。


と思ってググってみたらウィキに「スコットランド系オーストラリア人」ってページがありました。
ケイト・ブランシェットの名前が。ガラドリエル様スコットランド系だったのね。


今日の記事はここまでです。多謝光顧!

[PR]
2014年 11月 24日 |


The Peoples of Middle-Earth (The History of Middle-earth Vol.12)
Christopher Tolkien , J. R. R. Tolkien
HarperCollins Publishers Ltd; New Ed (1997/8/18)



これを買ったらもうトールキン沼から出られない試金石(と私が勝手に思っている)The History of Middle-earth、略してHoME。私は(勝手に)「ホメ」と読んでいます。

よく分からないままキンドルのバーゲンで99円になってたvol.1を購入したのですが、その巻はThe Book of Lost Talesで、ドワーフとはまったく無関係でした。失敗失敗。
その後、ドワーフが登場するのはvol.12のThe Peoples of Middle-earthだと知って買いました。
これはまだキンドルになってなかったのでHarperCollinsのペーパーバックです。
久しぶりにペーパーバックを買ったのですが、紙質悪い、印刷にじんでる、持ちにくいので驚きました。
早く電子化してほしい。


とかいう話はどうでもいいのですが、まだまだどうでもいい話がつづくのです。
なぜなら本文の話は面倒だからです。

私は映画「ホビット」のドワーフが大好きなのですが、トールキンの小説が好きかというとそうでもありません。
もっと若いころ読んでいたら大ファンになっていたのだろうか?と自問してみましたが、考えてみれば若いころに「指輪物語」を一通り読んでいるのです。
それなりに感動はしたのですが、熱狂的なファンにはなりませんでした。
未熟だったせいか?と成熟した大人である今年再読しましたが、やはりあまり熱烈にのめりこむことはできませんでした。

世界観が・・・とかそういうのではなくて、単に小説として文体や構成が古臭いと感じたんだと思います。
初めて読んだ高校生の時ですら「19世紀の小説?」と思った覚えがあります。
wikiによると1954年に出版されたそうですが、その年には「蠅の王」「悲しみよこんにちは」「冷たい方程式」が発表されてます。とても同じ年の小説とは思えない。


それで(前置きが長い)、そのトールキンの未整理の遺稿なんて自分に読めるのだろうかと不安だったのですが、これがけっこう面白かったんですよ。
なぜかというと遺稿は小説ではなくてむしろ設定集なんですね。史書の断片みたいな感じ。
私はトールキンは小説家としては好みではないのですが、小説になるまえの構想はすごく面白いと感じられる。

と言うわけで興味をひかれた部分について、自分用のメモにだらだら書く予定です。
(読まなくて大丈夫です)


今日の記事はここまでです。多謝光顧!

[PR]
2014年 11月 09日 |



哈比人(全新修訂譯本)
作者: 托爾金 原文作者:J. R. R. Tolkien
譯者:朱學恆
出版社:聯經出版公司

「ホビット」の中文版を買ってみました。
中文訳は何種類か出てるのですが、「最新の翻訳」と銘打ってる聯經出版公司版にしてみた。表紙がマーティン・ビルボで可愛かったから。

翻訳者の朱學恆さんのプロフィールを見ると、中央電機系とあります。國立中央大學電機工程學系の略称のようなので理系なんですね。
日本で英語専門でもトールキン研究家でもない若い人がトールキンを訳したりしたら非難ごうごうではないかと思うのですが、そのへん台湾は寛容なんでしょうか。
訳文もちょっとこれは?と思う部分がときどきあるのですが、こども向けの冒険小説と割り切って読めば良いのでは。
ドワーフの喋り方が台湾っぽくてすっごく可愛い。

有名な出だしの
“In a hole in the ground there lived a hobbit. Not a nasty, dirty, wet hole, filled with the ends of worms and an oozy smell, nor yet a dry, bare, sandy hole with nothing in it to sit down on or to eat: it was a hobbit-hole, and that means comfort.”
はこんな訳文。


在地底洞穴中住著一名哈比人。這可不是那種又髒又臭又濕,長滿了小蟲,滿是腐敗氣味的洞穴。它也不是那種空曠多沙、了無生氣、沒有家具的無聊洞穴。這是個哈比人居住的洞穴,意思是。舒服極了。

第一節 不速之客


ホビットは「哈比人」、ドワーフは「矮人」、魔法使いは「巫師」と訳されてました。

ドワーリンが登場する楽しい場面はこんな中文。

「抱歉讓你久等了!」他本來準備這樣說,卻發現眼前的人並不是甘道夫,對方是一名將藍鬍子塞進腰帶中的矮人,他戴著深錄色的帽子,擁有一雙非常明亮的眼睛。門一打開,他就闖了進來,彷彿主人和他是換帖的好兄弟一般。
他將連著兜帽的斗蓬,找了個最近的衣帽架掛了起來,接著深深一鞠躬說..「德瓦林聽候差遣!」
「比爾博.巴金斯聽您差遣!」哈比人驚訝的忘記該問什麼問題,當隨之而來的沉默變得讓人尷尬的時候,他補充道..「我正準備要喝茶,請你和我一起用。」這話或許轉的有些生硬,但他的確是真心誠意的..而且,如果有個矮人不請自來的殺進你家,一句解釋的話也沒有,你又能怎麼辦呢?

第一節 不速之客



ドワーリンって緑帽子かぶってるんですねえ、中文で読むと意味深長。

「他就闖了進來,彷彿主人和他是換帖的好兄弟一般。」の「換帖」って何だろうと思ったら

換帖的

結拜兄弟、拜把兄弟。朋友間因為感情親密而結拜成義兄弟,以求患難時能夠相助,有時也有女性參加。結拜時要互相交換庚帖和相關家族資料,並且將結拜的原因書寫下來,通常會拜請關聖帝君做見證,這種習俗在臺灣早期很盛行。



英文では単に
he pushed inside, just as if he had been expected.

中文はちょっとやりすぎのようですが、ドワーリンとビルボが親密な義兄弟・・・とか妄想して楽しめるのでいいですね。

「而且,如果有個矮人不請自來的殺進你家,一句解釋的話也沒有,你又能怎麼辦呢?」の部分もドワーフが「殺進」してくるとは?と驚いたら単に

And what would you do, if an uninvited dwarf came and hung his things up in your hall without a word of explanation?

でした。
でもドワーフがとにかく可愛いのでまあいいや。





今日の記事はここまでです。多謝光顧!

[PR]
2014年 09月 24日 |
「英子の森」
松田 青子 (河出書房新社)


高崎夫人は、自分で低脂肪乳を買ってくると言った。



と出だしから「ダロウェイ夫人」の模倣で大笑い。


英語ができればグローバルな道が開ける・・・と何年も英語をがんばってきたけど実際は会議の受付とかクローク係りとか、しかも派遣社員の仕事しかない。
というシビアなストーリーで、たぶんどの言語をやってる人にもぐさぐさくる部分があるのではないかと。



英語力は使わないと落ちるからとネットで英語を使う仕事をメインに紹介してくれる契約会社を見つけて登録した。やっぱりね、スーパーのレジとかより、世間体もいいしね。お友達にも言われるのよ、英語使える人は違うわねって。



でもシニカルな話なのかと思ったら幻想的で楽しい部分もあって、読後感は幸せ、という不思議な小説でした。




今日の記事はここまでです。多謝光顧!

[PR]