スタニス ドラマと原作のちがい S2E8 The Prince of Winterfell
2017年 04月 26日 |
S2E8 The Prince of Winterfell

ドラマのスタニスが原作とどこが違うか検証してみようではないのと始めてみたものの、細かいことにとらわれすぎて迷路にはまりこんでいるシリーズです。

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(容赦なくネタバレしています&恒例画像勝手にすいません&ダヴォスちゃん可愛いという感想しか書いてありません)


S2E8 The Prince of Winterfell

≪本日のタイウィン様≫

ハレンホールで「マイ・ロード」ではなく「ムロード」と発音するよう指導する場面。
英語はすべての子音に母音がつくわけではないという日本人には想像しがたい構成になっていますが、時にその数少ない母音をさらに省略して聞き取り難くするという不可解な現象が起こります。

My Lord /maɪ lɔːd/
M'Lord /mlɔːd/

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なおこのシーンは原作ではルース・ボルトンが主役なのですが、名場面を奪われても黙々と忠勤にはげむあっぱれボルトン。


≪本日のルース公≫

そのルース・ボルトンは自分の私生児に伏兵やら工作をさせているようです。息子の正体がネタバレしないよう、「マイ・バスタード」とか「マイ・ボーイ」と呼んでいてどんな可愛い息子かと期待がふくらみます。

小柄なので下から見上げながら話すポーズが妙に色っぽいルース公。

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≪ドラマのスタニス≫

ストームズエンドを出発してキングズランディングに向かうスタニスの艦隊。
ダヴォスは前回艦隊司令官に出世したので、ここは旗艦船かな。

If the wind holds, we’ll reach King’s Landing in a day.
(もし風がもてば、一日でキングズランディングに着くでしょう)

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Will it hold?
(もつか?)

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スタニスの冗談にふふっと笑ってあげる優しいダヴォス。
Can’t make promises for the wind, Your Grace.
(風についてはお約束できません、陛下)

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スタニスの数少ないジョーク(しかも寒い)。
でも珍しく機嫌よくリラックスしているスタニスをお楽しみいただければと。

とつぜんセンチメンタルジャーニーになるスタニス。

I admire you, Ser Davos.
(お前には敬服しているぞ、サー・ダヴォス)

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こういうことには慣れっこなのか?冷静なダヴォスちゃん。

I thank you, Your Grace.
Pleased to hear it.
(ありがとうございます、陛下。
嬉しいお言葉です。)

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めったにない良い会話なのでここからすべて訳す所存。飛ばしてください。

Some highborn fools call you Onion Knight and think they insult you.
So you take the onion for your sigil, sew it on your coat, fly the onion flag.
(生まれのいいの馬鹿どもの中にはお前をオニオン・ナイトと呼んで侮辱したつもりの者もいる。
だからお前はオニオンを自分の紋章に選んで外套に縫いつけ、オニオンの旗を掲げているのか。)

My son wishes me to change it.
Three mermen with tridents, something like that.
I understand why the older families look down at me.
(私の息子は変えたいと思っております。
三叉矛を持った三人の男の人魚とかそういったものに。
古い名家がなぜ私を見下すのかは分かっています。)

Do you?
Why?
(分かっているのか?
なぜだ?)


玉葱を一番ひんぱんにオニオン・ナイトと呼んでいるのはスタニスのような・・・

sigil/ˈsɪdʒɪl/というのは紋章のことです。シヂルという発音を期待していると「セジョウ」みたいな音で最初はなかなか聞き取れなかった。

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My father was a crabber.
(私の父は蟹漁師でした。)

And?
(それで?)

Well, sons of lords don’t like to break bread with sons of crabbers.
Our hands stink.
(貴族の子息たちは蟹漁師の息子たちとは朝食をとりたがらないのです。
私たちの手は臭いので。)

crabberは「蟹を取る人」と辞書にあるのですが、フリー・ボトムに蟹なんていたのだろうか。
ブラックウォーターの河口で漁をしていたのか、それとも何か別の職業の隠語?

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And where were those lords when Storm’s End starved?
(それでその貴族たちはストームズエンドが飢えていたときはどこにいたのだ?)

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Many fought bravely for your brother.
Many fought for the Mad King.
(多くが陛下の兄上のために勇敢に戦いました。
多くが狂王のために戦いました。)

You defend these men who insult you behind your back.
(お前を背後で侮辱する者たちをかばうのか。)

Some are happy to do it to my face.
(喜んで面罵する者もおりますよ。)

We were forgotten.
Robert and Ned Stark, they were the heroes.
The glorious rebels marching from battle to battle, liberating towns from the yoke of the Mad King, while I held Storm’s End with five hundred men.
(我々は忘れられたのだ。
ロバートとネッド・スターク、彼らは英雄だった。
栄光ある反逆者たちが戦いから戦いへと行進し、狂王のくびきから街を解放する。
その一方で私は500人でストームズエンド守っていた。)

No one has forgotten, Your Grace.
(誰も忘れてなどおりません、陛下)

No?
Robert did.
He gave Storm’s End to Renly after the war.
Renly never fought a day in his life.
(そうか?
ロバートは忘れたぞ。
戦後ロバートはストームズエンドをレンリーに与えた。
レンリーは一日も戦ったことなどなかったのに。)

He was only a boy.
(レンリーはまだほんの少年でした。)

Then why’d he give him Storm’s End?
(ではなぜストームズエンドを与えたのだ?)

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ストームズエンドの包囲戦の思い出を語りはじめるスタニス。
過去恨み節モードに入ったスタニスを止められるものはいない。

First, we ate the horses.
We weren’t riding anywhere, not with the castle surrounded.
We couldn’t feed them, so fine, the horses.
Then the cats.
Never liked cats.
So fine.
I do like dogs.
Good animals.
Loyal.
But we ate them.
Then the rats.
The night before you slipped through, I thought my wife was dying.
She couldn’t speak any more, she was so frail.
(最初に馬を食った。
もう乗っていくところもなかった。城が包囲されていてはな。
餌もやれなかったし、だからそれでよかった、馬のことは。
それから猫だ。
猫は好きじゃない。
だからかまわなかった。
犬は好きなんだ。
良い動物だ。
忠実で。
だが食った。
それから鼠だ。
お前がすべりこんで来る前の夜、私は妻は死にかけていると思った。
もう話せなくなっていた。とても弱っていた。)
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ドラマでは原作と二年のずれがあるそうなので、スタニスはロバートの反乱のときすでに結婚していたことになっています。しかしそれではリーチの勢力を取り込むという政略結婚の目的が無意味になってしまうのだが。フロレントと結婚したのにタイレルに包囲されては何のために結婚したか分からない。

急に口調が優しくなるスタニス。
And then you made it through the lines.
Slipped right through in your little black sailboat with your onions.
(そしてそこへお前が包囲戦をくぐって来た。
お前の小さな黒い船にオニオンを載せて、まっすぐすべりこんで来た。)

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雰囲気を軽くしようとするダヴォスだが、スタニスは聞いちゃいねえ。

And potatoes.
Some salted beef, I believe.
(それにジャガイモも。
塩漬け肉もいくらかあったと記憶していますよ。)
ドラマではなぜか牛肉になってますが、原作のダヴォスは塩漬け魚を運んできて、スタニスはダヴォスのことを「わが玉葱と塩漬け魚の騎士」と呼んでいるところがとても可愛い。


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すごく怖い顔だがロマンチックなことを言っているスタニス。

Every man in Storm’s End wanted to kiss you that night.
(ストームズエンドのすべての男があの夜お前にキスしたがった。)

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雰囲気を軽くしようとするダヴォスだが、スタニスは聞いちゃいねえ。

I was relieved they did not.
(彼らが実行しなくてほっとしました。)

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スタニスが過去を思い出して憤激してるあいだは銀座の一流ホステスのように微笑みを浮かべて静かに拝聴しているダヴォスは賢い。

Robert told me to hold Storm’s End, so I held it.
Then he told me he was giving it to Renly, so I gave it up.
Insult or no, I gave it up.
Because Robert was my older brother, and he was the king and I’ve always done my duty.
But now, I’m the rightful king by every law of Westeros.
(ロバートがストームズエンドを守れと言った、だから私は守った。
それからロバートはレンリーに城をやるつもりだと言った、だから断念した。
侮辱だろうとそうでなかろうと、断念したのだ。
なぜならロバートは私の兄で、私の王で、私は常に自分の義務を果たしてきたからだ。
だが今はウェスタロスのあらゆる法によって私が正当な王だ。)

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しかしオチが意外すぎた。

And when I sit the Iron Throne, you’ll be my Hand.
(そして私が鉄の王座に座った暁には、お前が私の手となる。)


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びっくりしてしばらく言葉がでないダヴォス。


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ぎこちなくひざまづくとこ可愛いな。

Your Grace, I pray I serve you well.
(陛下。身命を賭してお仕えいたします。)

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I expect you’ll be the first crabber’s son to wear the badge.
(お前が手のバッジをつける最初の蟹漁師の息子になるだろうな。)

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原作では王の手が着けるのは手を連ねたネックレスですが、ドラマではバッジ。
ダヴォスは結局一度も手のバッジをつけなかったと思う。
つけたところを見てみたかった。

ダヴォスを驚かせて満足したので、さっさと自室(?)へ帰ってしまうスタニス。
まだびっくりしてるダヴォス。

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≪原作では・・・≫

ドラマのチーム・ドラゴンストーンは全員船に乗ってキングズランディングを目指していましたが、原作では二手に分かれています。

主力のスタニス軍:騎馬でストームズエンドから王の道を通ってキングズランディングへ
艦隊:サー・イムリー・フロレント(セリース王妃の兄弟)を司令官として海路ブラックウォーター・ベイへ

チーム・ドラゴンストーンいつもの約束「ダヴォスが見てないときのスタニスが何をしてるかダヴォスにも読者にも分からない」の法則に基づき、ダヴォスはスタニスはもう何日も前にキングズランディングについているだろうなあと推測するばかりです。
意外な気がしますが、騎兵のほうが船より早いんですね。

旗艦the Furyをまかされたイムリー・フロレントは遅れを取り戻すため(ストームズエンドで嵐にあって遅れた)、ずんずん突き進んでいきます。
ダヴォスや息子たちの船は先陣ではなく二番手あたりのようです。


というわけで、ドラマのスタニスとダヴォスの幕間劇は原作には存在しないのでした。
会話の内容はプロローグのクレッセンの回想に基づいているんでしょうか。



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