「不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生」
2015年 01月 25日 |
「不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生」
レベッカ・スクルート (著), 中里 京子 (翻訳) 講談社

出版社のサイトより


彼女の名前はヘンリエッタ・ラックス。
だが、科学者のあいだでは「ヒーラ」として知られている。
1951年、貧しい黒人のタバコ農婦だった彼女の身体から、本人の同意なく採取された癌細胞は「ヒーラ」と名付けられ、世界初の“不死化したヒト細胞”として、のちに医学界のきわめて重要なツールとなる。
ヒーラはその後の細胞培養法に革命をもたらしたのみならず、ポリオワクチンの開発、化学療法、クローン作製、遺伝子のマッピング、体外受精ほか、幾多の研究の礎となった。だが、数十億個という膨大な単位でその細胞は売買されてきたにもかかわらず、ヘンリエッタは死後も無名のままにとどまり、そして彼女の子孫もまた、健康保険すらまかなえない境遇に置かれていた――。




ずっと読もう読もうと思っていた本をやっと読み終わりました。
癌治療のために黒人女性から採取された細胞が、本人も家族も知らないうちに培養され、売買されていた。若い白人女性記者が細胞の持ち主であるヘンリエッタ・ラックスについて調べていくノンフィクション。

科学研究ストーリーを期待していたのですが、中心になっているのは何も知らされず、騙されたと感じているものの無力で怒りのやり場のない貧しい遺族たちでした。
ヘンリエッタが癌治療を受けたのは人種差別が歴然と残っている時代のことで、黒人が治療と称して人体実験に利用されたり、ヘンリエッタの娘が黒人専用の精神病院に収容され、家族に連絡もないまま亡くなっていたりしています。

医者と患者、白人と黒人、権力者と貧乏人と複雑な対立が描かれていて考えさせられる一冊でした。


ヘンリエッタの家族は教育も受けていないし、迷信深かったり犯罪に手を染めてたりするのですが、日本ではとても考えられないような破天荒な魅力のある人たちです。
作者も最初は戸惑う(どころではない)のですが、だんだん信頼され家族のように親密になっていきます。
ミステリー的な謎の解明部分も面白いのですが、この本のいちばんの魅力はヘンリエッタと家族たちです。



と、真剣に読んではいたのですが、ヘンリエッタが治療を受け、細胞を採取されたのが、ボルティモアのジョンズ・ホプキンス病院なんですよ。

ボルティモアのジョンズ・ホプキンス病院って・・・ハンニバル・レクター博士が収監されてたところじゃないの・・・と思ったのですが、レクター博士が閉じ込められてたのはボルティモア州立病院だったようです。
インターン時代にジョンズ・ホプキンス・メディカル・センターで働いてたみたい。

ボルティモアってなんだかすごいところだな、という浅すぎる感想。



今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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