「運命の騎士」
2014年 11月 30日 |
「運命の騎士」
ローズマリ・サトクリフ作/猪熊 葉子訳
(岩波少年文庫)
 
出版社のサイトより


犬飼いの孤児ランダルは,ふとしたことから,騎士ダグイヨンの孫,べービスの小姓として育てられることになった.身分や民族を越えて友情を育むランダルとべービスだが,やがて歴史の大きなうねりが二人をのみこんでいく…….ノルマン人によるイギリス征服の時代,二人の騎士の生涯をかけた友情を描く.


こどものころけっこう海外児童文学を読んだほうだと思うのですが、なぜかまったく手をつけてない作家が何人かいて、ローズマリ・サトクリフもそのうちの一人です。
「運命の騎士」は最近新聞の書評で取り上げられていたので興味を引かれて読んでみました。

登場人物もストーリーもとても良いのですが、私がいちばん感動したのは主人公のランダルが小鳥が空を横切るのを眺める場面。
美しい小鳥を見たランダルは喜びに満たされ、そばにいたべービスに鳥の名前をたずねます。べービスはゴールドフィンチだと教えてくれて、それまでよそよそしかった二人が大親友にかわるきっかけとなりました。


どぎつい刺激に慣れてしまった現代人が鳥の羽色の美しさにこれほどの喜びを覚えることができるだろうか・・・と思いながら読んでました。
それなりに事件はあるものの、基本的に単調な荘園の生活。それなのに全編に喜びがあふれています。
猟犬にすらジョワユーズ(Joyeuse 歓喜)という名がついているんです。

作者のサトクリフは病気のためこどものころから歩けなかったそうですが、馬を駆けさせたり犬と走り回る場面はとても自分で体験したことがないとは信じがたい。
翻訳もとても良くて、作者も訳者もどちらも女性なのがまた嬉しい。


今年読んだなかでいちばんよかった本です。
(出版は1961年ですが・・・読むのが遅すぎた・・・)

昨日原書のキンドル版を手に入れたので、これからじっくり楽しみます。


今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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