〔ほび〕 部外者のためのドゥリンの一族の歴史(地図つき) ②
2014年 08月 26日 |
トールキン部外者のブログ主がトールキン部外者のあなたのために映画「ホビット」に登場するドワーフ、ドゥリン一族の歴史を地図つきで紹介します。

(といっても「指輪物語 追補編」の年表をまとめてみただけ、地図はHobbit: An Unexpected Journey Visual Companionを勝手に加工しただけ)

間違いも多々あるかと思いますが大目にみてやってください。(読み手に寛容を強制するブログ)


前の記事は
〔ほび〕 部外者のためのドゥリンの一族の歴史(地図つき) ①



今回はドワーフの行動地域がワールドワイドに広がりました。




エレボールは繁栄し、子孫も次々に生まれています。

TA2746年
スロールの長男トーリンニ世(Thráin II、2746-)生まれる。

TA2751年
スロールの次男フレリン(Frerin、2552-2589)生まれる。

TA2760年
スロールの長女ディス(Dís、2760-?)生まれる。

TA2763年
フンディン(Fundin)の長男バーリン(Balin、2763-2994)生まれる。



しかしあまりに繁栄しすぎたエレボールは悪龍スマウグをひきよせてしまいます。


TA2770年
スマウグ(Smaug) がエレボールに飛来。
デイル(谷間の町/the town of Dale)が破壊される。
スロール、スラインニ世(2644-2850)、トーリンニ世(24歳)、フレリン、ディスはエレボールを脱出し南に向かう。
難を逃れたドワーフの大部分はジ・アイアン・ヒルズに去る。





(赤のライン=ドワーフたち、ピンクのライン=スロール一家で表してみました)


スロール一家だけはなぜか南に向かって放浪し、ダンランド(褐色人の国/Dunland)に流れつくようです。
ザ・ミスティ・マウンテンズを山越えしたのか、もっと南下して迂回したのか分りませんが、ドゥリン一族としておそらくはじめて山脈の西に居住することになりました。

Dunlandは映画を見てても「ダンランド」と発音してる人と「ドゥンランド」と発音してる人がいる気がする。



TA2772年
フンディンの次男ドワーリン(Dwalin、2772-3112)生まれる。




原作のドワーリンはエレボールを知らないんですね。
ディス姫よりもさらに年下。



TA2790年
エレボールのドワーフたちはダンランド(褐色人の国/Dunland)に居住。
スロールが指輪を長男スラインニ世に与え、単身モリアに向かう。モリアに着いたスロールはオークのアゾグ(Azog)に殺害される。
ドワーフたちが復讐のためモリアに集結。





(ピンクのライン=スロールで表してみました)

ダンランドで新しい生活を始めた一族。
しかし家長のスロールは貧乏生活が嫌になって突然モリアへ行ってしまいます。

スロールはザ・レッド・ホーン・パス(赤角山道/the Redhorn Pass)を通ってザ・ミスティ・マウンテンを東に越え、アザヌルビザールに到着。

From Dunland, where he was then dwelling, he went north with Nár, and they crossed the Redhorn Pass and came down into Azanulbizar.



映画では「放浪のドワーフたちがやっとモリアにたどりついたらオークに占拠されていて戦争になった」流れでしたが、原作ではこのとき殺されたのはスロールだけ。報復のための合戦まで数年の準備期間があります。

スロールを殺したオークのアゾグはグンダバド出身。
ドゥリン一族の祖先もグンダバド出身。
オークとドワーフって住居の好みが似てるんでしょうか。



TA2793年
ドワーフとオークの戦い始まる。

TA2799年
モリア東門前(East-gate of Moria)でアザヌルビザールの合戦(the Battle of Azanulbizar)。
スラインニ世の次男フレリン(48歳)、バーリンとドワーリンの父フンディン戦死。
ジ・アイアン・ヒルズのグロールの息子ナイン(Náin)戦死。
ナインの息子ダイン二世(Dáin Iron-foot、2767-3019)(32歳)がアゾグを討ち取る。

ダイン二世がジ・アイアン・ヒルズに戻る。
スラインニ世とトーリンニ世(53歳)はダンランドに戻るが、その後西に向かって放浪する。
エリアドール(Eriador)を経てエレド・ルイン(Ered Luin)の南に落ち着く。
〔ザ・ルーン(the Lune)の先、エレド・ルインの東に流離の身の仮住まいを持つ。





(ピンクのライン=スライン、赤のライン=ダイン二世で表してみました)


スロールの弔い合戦のために各地からドワーフが集まりオークと戦います。
映画ではとトーリンニ世がアゾグを倒しましたが、原作ではまだ少年のダイン二世がアゾグを討ち取っています。

このときのアザヌルビザールの合戦で戦死したのは
フレリン(トーリンニ世の弟)、フンディン(バーリン&ドワーリンの父)、ナイン(ダイン二世の父)

合戦のあとドワーフの連合軍は解散してそれぞれの土地へ戻っていきます。
スライン一家は遥か西のエレド・ルインに流れ着きました。

エレド・ルインは風水的にエレボールより良さそうな気がするんですがどうでしょう?
後ろに山があって前に流水がある、のはエレボールも同じか。
でもエレド・ルインのほうが海に近いし食べ物が美味しそうなイメージ(無根拠)。



TA2841年
スラインニ世がエレボール再訪のためバーリン(78歳)とドワーリン(69歳)を連れて出発し、アンドゥインの先の土地(the land beyond Anduin)、マークウッドの軒下(under the eaves of Mirkwood)で野宿した後失踪。
ドル・グルドゥア(Dol Guldur)に幽閉され、指輪を取り上げられる。
トーリン・オーケンシールド(95歳)がドゥリンの世継となる。

TA2845年
ガンダルフ(Gandalf) がドル・グルドウアでスラインニ世からエレボールの鍵を受け取る。
スラインニ世はドル・グルドゥアで死亡。






(ピンクのライン=スライン、緑のライン=バーリン&ドワーリンで表してみました)

エレド・ルインで小康生活を築いたスラインですが、ドゥリンの一族は安楽な生活に飽き足らないDNAの持ち主なのか

became restless and discontented


な状態に。
日本語版では「そわそわと落ち着かなくなり、不満を抱くようになった」とあって、ソワソワしているお爺さんドワーフを想像すると可愛い。

スラインは息子のトーリンには多くを語らないままバーリン&ドワーリン兄弟を連れてエレボールへ帰ってしまいます。 たそがれどき症候群でしょうか。

しかしエレボールへ行き着かないうちにマークウッドの近くで悪の手先に捕まってしまい、ドル・グルドゥアに幽閉されます。
バーリン&ドワーリンは虚しく捜索しますが、やがて諦めてエレド・ルインのトーリンのもとへ戻ります。

映画の第三部のイントロはぜひこのスラインパパとバーリン&ドワーリンの旅から始めてほしい。
いたいけなモヒカンの若ドワーリンがいっしょうけんめいスライン王を探してるところを想像すると可哀想で可哀想で。



TA2859年
ディスの長男フィーリ(Fíli、2859-)生まれる。

TA2864年
ディスの次男キーリ(Kíli、2864-)生まれる。



トーリン・オーケンシールドがドゥリン一族の王になりました。
妹のディスに息子が二人生まれたのでドゥリンの後継者問題も解決。
フィーリが生まれたときディスは99歳。やはり90歳くらいが結婚適齢期なんですね。

エレド・ルインのドワーフたちは次第に豊かになり立派な館が立ち並ぶようになりました。
しかしトーリンは

The years lengthened. The embers in the heart of Thorin grew hot again, as he brooded on the wrongs of his House and the vengeance upon the Dragon that he had inherited. He thought of weapons and armies and alliances, as his great hammer rang in his forge; but the armies were dispersed and the alliances broken and the axes of his people were few; and a great anger without hope burned him as he smote the red iron on the anvil.

(歳月が過ぎ去っていった。トーリンの胸の中の熾がふたたび熱くなり、かれは一家の経てきた悲運と、自分の受け継いだ竜への復讐を念頭に絶やさなかった。鍛冶場に大槌を鳴り響かせながら、かれは武器と軍隊とドワーフ連合軍のことを考えた。しかし軍隊は解散し、連合軍はばらばらになり、かれの一族の持つまさかりの数は僅かである。鉄床の上で赤い鉄を打ちながら、かれは望みのない激しい怒りに身を焦がした。(「指輪物語」〈追補編〉評論社)



あなたもソワソワ・ドワーフですか・・・





TA2941年
旅から西へ戻る途中のトーリン・オーケンシールドとガンダルフがブリー(Bree)で出会う。





トーリンがどこへ旅行してたのか分かりません。Thorin, returning west from a journeyとあるので東のほうからエレド・ルインへ向かっていたんでしょう。
ガンダルフとトーリンの出会いについては、ブリーの道端で、ブリーの宿屋で、ちょっと立ち話または一夜を過ごした、トーリンの館まで行った、シャイアを通った通らなかったといろいろなバージョンが錯綜してて大混乱。

このあとは「ホビット」の本編で語られている通り。

と、「ホビット」が始まるまでにドゥリンの一族にはこれだけの背景があるんですね。
そりゃ映画見て原作読んでもさっぱり人間関係が理解できないわけだ、というのはよく分かりました。




ルーンというのは川の名前なのですが、原文ではthe Luneと定冠詞がついている。
でも同じ川の名前でもアンドゥイン(Anduin)にはtheがついていないのです。なぜ?

あ、よく見たら“in the east of the Ered Luin beyond the Lune”とEred Luin(エレド・ルイン=ザ・ブルー・マウンテンズ)にもtheがついてる・・・
けどHithaeglir(ヒサイグリア=ザ・ミスティ・マウンテンズ)やErebor(エレボール=ザ・ロンリー・マウンテン)にはtheがついていない。
いや“in the east of the Ered Luin”のtheはin the east ofがあるせいなのか?
「ザ・エレド・ルインの東側」というより「ザ・イースト・オブ・ザ・エレド・ルイン」という地名と考えるとか?

“beyond the Lune”のtheもbeyondがあるからくっついてるとか?

エルフ語の固有名詞には定冠詞がつかない習慣なのかと単純に考えていたのですが・・・分からない・・・
ネットで検索するとミドルアースの英語の固有名詞の冠詞の表記法はけっこうバラバラで「もしかしてみんな適当に書いてるの?」と疑惑におちいってしまいます。


今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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