「劉邦の宦官」
2013年 06月 30日 |
(なぜ自分にこんな高いハードルを課しているのか分からなくなってきた)



「劉邦の宦官」
黒沢 はゆま(双葉社)


内容(「BOOK」データベースより)
紀元前二〇二年。劉邦は楚漢戦争で項羽を破り、前漢の初代皇帝となった。その四年後、新たに都となった長安の長楽宮に、小青胡と張釈という二人の幼い少年が宦官として仕えた。貧しい生まれの二人は宮殿での悲惨な生活のなか、強く惹かれ合う。やがて二人は大后・呂稚に挙用され、新たに築かれた未央宮の後宮に入り愛を深め合う。しかし劉邦の死後、後継者争いが激化するなか、劉邦の息子・劉盈に仕える小青胡と、権力の虜となった張釈の関係が変化していく。それは、待ち受ける悲劇の序章に過ぎなかった―。


歴史小説コーナーに華々しく飾られてたので読んでみました。
タイトルと表紙イラストと「BOOK」データベースの内容紹介の通りです。
amazonなどですごく評価が高くて、世間と自分の小説に対する考え方の違いをひしひしと感じました。

(つまりこの本に対する私の評価は低いわけです。だから作者およびファンの方はこの記事を読まないでほしいの。)


気になったのが現代中国語が頻出することです。
もちろん作者は分かっててわざとやってるのでしょうが、漢代の皇后を「老娘々(ラオニャンニャン)」と呼んだり、皇帝が宮殿に戻ってきて「我回来了」と挨拶したりするのはやりすぎなのでは。
現代中国語を使って中国っぽい味わいを出したいなら、清朝の宮廷もののほうが向いてるんじゃないかしら。「蒼穹の昴」の二番煎じになるからダメなのかな。

それなら全篇現代中国語で通すのかといえばそうではなく、他の箇所では劉邦が漢文の白文で罵ったり、当時の楚音(たぶん)の発音の解説がまざったりするのは読者を混乱させる気がします(私は混乱した)。
かと思えば「自宮者募集」って看板は日本語だったのには失望しました。そんな看板中国語でどう表記するのかすごく知りたかったのに。

本場中国でも「女子向け歴史小説はその時代に応じた擬古中文で書く」というルールになってるようですので、今後はそのあたりも配慮いただければと思います。

リピはないですが(@コスメ風)、戚夫人の部分はとても良く書けてました。ういういしい美少年が醜い大監へ変貌していくところも良かった。
今後はグロの才能を開花させるとよいかも知れませんね。


今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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