〔水滸〕 林冲と西川扇子
2013年 03月 15日 |
《从林冲的“折叠纸西川扇子”看《水浒传》的成书年代》という論文がネットで読めます。

林冲が「第七回 花和尚倒拔垂楊柳 豹子頭誤入白虎堂」で初登場するときに「紙の扇子」を持っている点に注目。

頭戴一頂青紗抓角兒頭巾,腦後兩個白玉圈連珠鬢環。身穿一領單綠羅團花戰袍,腰繫一條雙搭尾龜背銀帶。穿一對磕瓜頭朝樣皁靴,手中執一把折疊紙西川扇子
  那官人生的豹頭,環眼,燕頷,虎鬚,八尺長短身材,三十四五年紀。


扇子はもともと日本からの朝貢品で、(皇帝から下賜されるような)上流階級だけが持てるものだったんですって。
中国で模倣品が作られるようになってからも大っぴらには使えず、こっそり楽しんだそうです。
明代になって永楽帝が大量生産させたので一般にも普及し、文人の愛好品になり、とくに四川産の扇子は紙質がよくて高級品とされたとのことです。

この論文は上流階級ではない林冲が公共の場で扇子を持っているので、水滸伝は永楽帝以降の成立と推測されると言っているのですね。


私には、軍人である林冲が初登場のときに扇子を手にしているというのが興味深く思われました。
この日は3月28日の東岳廟の神様の誕生日のお祭りなんだそうです。いまの4月末くらいでしょうか。
たしかに原文には「三月末の暑い日(那時正是三月盡,天氣正熱。)」と書いてあるのですが、扇子が必要なほど熱くないんじゃないかな。

軍人なのに文人アイテムを手に優雅に登場する林教頭。
彼の人格の矛盾を表わしているのかもしれませんね。

今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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