「水滸伝―虚構のなかの史実」
2013年 01月 12日 |


宮崎市定「水滸伝―虚構のなかの史実」
(中央公論社)

今年は《水滸》を読もうと決めたものの、まったく無知なまま読み始めても理解できないと思うので宮崎市定先生のお力を借りることにしました。
どの章も素晴らしいのですが、とくに宋代の社会背景についての解説がかゆいところに手がとどくような懇切丁寧さで、こんな優れた本が日本語で読めるなんて日本人は幸せだと思いました。

林冲の職位の説明が分かりやすかったのと、疑問だった囚人の刺青について書いてあったのが「魯智深と林冲」の章。


教頭はその禁軍の中で武術に堪能な者が教師に選ばれたのであるが、その地位は使臣、すなわち最下級の八品・九品の武官の中には入らず、それよりも下に位する。(略)
さて林冲は高俅の謀略にかかり罪を被せられて滄州へ流されるが、当時配軍すなわち流され者は顔に刺青を施される。「刺配某州牢城」という字を両頬に分けて入れるので、これを両行の金印と雅称(?)する。

宮崎市定「水滸伝―虚構のなかの史実」
第六章 魯智深と林冲



ドラマの新版水滸を見てると、左の眉の上あたりに「囚」?のような模様を一文字入れられていますが、老版では頬に入っているようなので疑問でした。本来は頬に入れるものなのですね。


老版


新版



「配軍」を罵るときは「賊配軍」と言うとも書いてありました。さっきドラマ見てたら本当に「賊配軍」って言ってた。

今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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