「中国貧困絶望工場 「世界の工場」のカラクリ」
2012年 08月 03日 |
「中国貧困絶望工場 「世界の工場」のカラクリ」
アレクサンドラ・ハーニー (著), 漆嶋 稔 (翻訳) 日経BP社


どうして日本の出版社は中国に関する本には否定的なタイトルをつけたがるのかな、売れるから?
原題は“The China Price: The True Cost of Chinese Competitive Advantage ”。

「中国価格」(安い製品)は確かにお金を少し節約できるけれど、そのコスト(ツケ)は決して安くはない。
搾取工場の実態、環境汚染や労働で障害を負っても保障されないワーカーの話も紹介されていますが、一方で事故を乗り越えてNGO組織を作った若者や、農村出身で中卒の学歴しかない女性が大都会でホワイトカラーを目指してステップアップするエピソード、働きやすい環境でワーカーが定着し、品質も安定した工場の試みも載っています。
必ずしも暗い話ばかりではありません。

中国にも問題はあるけれど、安さだけを求める先進国の消費者が「中国価格」を作り出しているのがよく分かります。


作者が女性だからかも知れませんが、先進国の記者の上から目線ではなく底辺の労働者の心情によりそうような表現で共感できました。
シンセンの工場の女子寮での共同生活の様子がとても生き生きと描写されています。
わたしも工場を訪問しても寮の中までは入ったことがありません(とても入る勇気ないし日本人は立ち入り禁止だろうし)。作者は心が温かくて中国人に歓迎される人なんだろうなと思います。憧れます。


今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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