《紙酔金迷》 小説版
2012年 01月 18日 |
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張恨水は以前から読んでみたかったのですが、なにしろ大昔の小説だし、果たして理解できるのかと心配してました。
そのうえすごく分厚い本(500ページ以上あるの)で一生読み終わらないかも・・・と思ったのですが、読み始めたら、ドキドキハラハラの場面が多くドラマを見て内容は分かってるのに「このあとどうなっちゃうの!?」とどんどん読めちゃいます。


あらすじは
《紙酔金迷》 こんなストーリー


小説とドラマの一番の違いは、ドラマでは3人のヒロイン田佩芝(陳好飾)・ 袁園(羅海琼飾)・東方曼麗(胡可飾) が同じ女学校の同級生で日本軍の侵攻で離れ離れになり、過酷な運命のすえに重慶で再会したのに対し、小説では3人はまったくの赤の他人で、ヒロインも田佩芝一人だけ。残りの二人はただの脇役であまり出番もなかった。

小説の主役は田佩芝ひとりだけで、ドラマではそれなりに見せ場のあった夫・魏端本(邵峰飾) と愛人・范宝華(于和偉飾) もオマケ扱い。
ドラマでは様々な人間模様が面白かったのに、小説では他の人物の描写はあまりなく人間関係はけっこう単調。

日本の降伏間近な重慶。抗日戦の真っ最中にもかかわらず、リッチピープルたちはひたすら賭けトランプと黄金の投機とブラックマーケットでの売買(いずれも賭博)に没頭している。

登場人物は上海から逃げてきた政府関係者たちなので、重慶の地元の暮らしに上海式のモダンライフが混じっているのも興味深い。

ドラマでは改心した主役の一人が軍に入って国のために献身的に戦ってたけど、小説にはそんな殊勝な人物は登場しなかった。
小説では誰も従軍も抗日もしないし、日本軍なんてまったく出てこないので、脚本の審査を通すための苦肉の策だったのかな?


田佩芝が賭博(ポーカーか?)にはまって借金がどんどん膨らんでしまい、范宝華の金に手をつけて現場を抑えられて口止めのために愛人にされちゃったり、贅沢な生活に憧れて夫も子どもも捨てて家出して金持ちの居候に落ちぶれて、それでも賭け事のためにあちこちで嘘と借金を重ねたりと「この女は一体何がしたいわけ!?」とボヴァリー夫人なみの破綻ぶりにイライラしながらも目が離せません。

ヒロインがこんなに破綻した性格なのには一応理由があって、田佩芝は魏端本とは正式な結婚ではないのです。
魏端本には上海に妻がいるのにそれを隠して田佩芝と一緒になったの。二人の間には子どももできて、重慶では「夫人」で通ってるけど実質は「抗戦夫人」(言葉は綺麗だけど要は現地妻)。

巷では戦争が終わるという噂が流れていて、戦争が終わると上海に戻らなければならず、上海には正妻がいるので終戦後はただの愛人に転落してしまう「抗戦夫人」たちはストレスで賭け事に走るわけ。

ラストもドラマではみんなド派手に破滅してたけど、小説はわりとあっけなく終わってカタストロフィが感じられずちょっと物足りない。


この小説を読んだのはドラマ版を見て面白かったせいで、ドラマ版を見た理由はGXX一家が総出演してるから。おかげでついに張恨水を読むことができました。GXXには足を向けて寝れない気がします。



<機会があったら調べたい>

女性が「脇の下からハンカチを出して」涙を拭く場面が何度も出てくる。当時のチーパオには脇の下にハンカチを入れるポケットでもあったのでしょうか。

街では人力車、田舎では「滑竿」が交通手段。「滑竿」というのは籠というか輿のような乗り物のようです。
重慶にしかない乗り物だったのかな?(18世紀のロンドンにもセダンチェアとかいう乗り物があったみたい)

賭け金の支払い方法は複数あったらしく「現鈔」、銀行の「本票」「支票」などが登場します。
硬貨はなかったのか、駄菓子を買うにも紙幣を何枚も出してたりして貨幣単位がよく分からない。
通貨も美金や法幣と数種類あって計算たいへんそう。


今日の記事はここまでです。多謝光顧!

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