「ヤバい経済学」
2011年 02月 10日 |
「ヤバい経済学」 [増補改訂版]
スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー (著)
東洋経済新報社

たまたま読んだ本ですが、スモウのインチキについて書いてあって超級タイムリー。
面白かったので自分なりに整理してみます。

データを分析してインチキを見破る方法について述べてる章に載ってます。
スモウの話は学校の先生のインチキを見破る話のあとに出てきます。

先生のインチキというのは、普段は成績が悪いのに、先生の評価がかかった学力テストではなぜか急に高得点をあげ、次はまた悪い成績に戻るようなあやしい点の動きをみせるクラスの先生は、インチキをしている可能性が高いというもの。

スモウのほうは1989年から2000年の取組32,000番のデータが使われています。
その中の7勝7敗の力士の次の取組結果が調査対象です。

7勝7敗で、次に負けるとマズイ力士(A)が、すでに8勝6敗で勝ちにはこだわらない力士(B)とぶつかった場合の取組100番のデータが載っています。

力士(A)の力士(B)に対する期待勝率・・・48.7
Bのほうが実力は上と思われるので、期待勝率は5割以下です。

しかし実際の結果は
力士(A)の力士(B)に対する実際の勝率・・・79.6

弱いはずの力士が、自分より強い相手に8割近く勝っています。


次に7勝7敗の力士(A)と9勝5敗の力士(C)のケース。

力士(A)の力士(C)に対する期待勝率・・・47.2

そして結果は
力士(A)の力士(C)に対する実際の勝率・・・73.4

もちろん「力士(A)は負け越さないために必死で戦って勝ったのかもしれない」とも書いてありますが、それにしても7割も8割も勝っちゃうものなのでしょうか。
そしてこの力士(A)が、次の場所でどちらも7勝7敗でないときに(B)(C)と再戦すると、実際の勝率は40%だそうです。

この力士(A)(B)(C)はインチキをしてる可能性が高いのではないか?
というのがこの本の解釈。

そして八百長があるのでは?という疑惑が流れると、力士たちも用心するのか八百長報道のあとで7勝7敗の力士のデータを調べると、50%しか勝ってないという鋭い指摘に笑ってしまいました。


データでこんなことが分かってしまうのですね。
数字の見方について疎いので、とても面白い本でした。

ここ数日テレビをつけるとどのテレビ局も「八百長メールが」とそればっかりですが、メールなんて発覚しなくても、取組のデータという動かぬ証拠が、ずーーーーーっと白日の下にさらされてたんだなあと。

(私の理解したところを書いてみたので、実際の内容は「ヤバい経済学」をご覧ください)


翻訳が生き生きしていて読みやすかった。
こういう訳文にあこがれます。
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