『乾隆帝の幻玉』
2010年 04月 20日 |
ちょっと昨日の記事はひどかったと反省して今日はとってもまともな本です。


乾隆帝の幻玉―老北京(ラオベイジン)骨董異聞
劉 一達 (著, 原著), 多田 麻美 (翻訳) 中央公論新社

内容(「BOOK」データベースより)
清国皇帝の遺物を巡り、宦官の夢、職人の面子、玉器商の企みが十重二十重に絡み合う。玉碗の発する妙音や北京っ子の熱き息遣いも鮮やかに、民国期のオールド北京がここに甦る。



一言でいえば乾隆帝が愛したといわれる玉の碗を故買商や職人や外国人が奪い合う話です。
伝説の宝をめぐる伝奇小説の味わいっちゅーか(説明ヘタ)

でもこの小説の魅力は老北京とよばれる昔の北京っ子の生活が細かく描かれてるところですね。
季節の食べ物(自分で作るのもあるけど、屋台で買って来ることも多い)や縁日のおみやげ(兎児爺とか)といった庶民の楽しみが生き生きと書かれています。

章ごとに昔の中国についてのウンチクが傾けられてるのも楽しい。
ある章は京劇について、別の章では八掛掌について、また玉の見分け方について、北京っ子たちがいろいろ教えてくれます。
京劇の演目に「逍遥津」とか「捉放曹操」とかあるそうです。見てみたい。

作者は清朝の遺臣かな?もう他界されてるのでは・・・と思ったら、意外に若くてこれも驚きです。


中国語を勉強しているのにこんな良質の小説があることすら知りませんでした。
原題は『故都子民』、テレビドラマにもなったそうです。

優れた作品が翻訳で読めるのはとても嬉しい。
中央公論新社から中国の小説が出版されるのは珍しいと思ったらけっこう出てました(無知)。


[PR]