「中国古典小説選3 世説新語―六朝2」 張華さんは不可解な人
2010年 01月 28日 |
だいぶ前に途中まで書いて忘れてたネタを掘り出してきました。


全訳ではなく精選ですが、「よりぬき世説新語さん」なので面白い話が多く、訳も読みやすい。
このシリーズは白文と現代語訳が両方掲載されてるところがいいですね。語釈も親切です。
訳語に「パンツ」とか「パンチ」とかあってなごみます。


「世説新語」で三国・魏晋関連はたいがい読んでるつもりだったのですが、こんなのがありました。



劉令言(劉納)は洛陽に入った当初、名士たちに会い、ため息まじりに言った。「(略)張茂先(張華)はわたしには理解しきれぬ人(略)。」

「品藻 第九」
『中国古典小説選3 世説新語―六朝2』 竹田 晃 (著), 黒田 真美子 (編集) (明治書院)


やっぱり張華さんは同時代人には理解されない人だったのですね・・・私にも理解できん。
でも司空になってるので妖怪退治と美食解明だけでなく、ちゃんと三公の職務も果たしていたのでしょう。




品藻第九
8.
劉令言始入洛,見諸名士而歎曰:「王夷甫太解明,樂彥輔我所敬,張茂先我所不解,周弘武巧於用短,杜方叔拙於用長。」






張華さんといえば「古今圖書集成」で検索してたらこんなのが


【方輿彙編山川典 /遼河部/彙考】

◇卷號→ 山川典 第 200 卷
《博物志》曰:魏武於馬上逢獅子,使格之,殺傷甚眾。王乃統率常從健兒數百人,擊之。
獅子哮呼奮越,左右咸驚。王忽見一物從林中出,如貍,超上王車軛上。獅子將至,此獸便跳上獅子頭上,獅子即伏不敢起。於是遂殺之。得獅子而還,未至洛陽四十里,洛陽雞狗皆無鳴吠者也。



なんかどっかの川の説明に引いてあるみたいなんですけど(私に古典の解読は無理なの)、何ですかねこれ。こんなの書き留めておくなんて張華さんってホントにヘンな人だなあ

もしや話題の「華南虎」もとい「格虎」!?と思ったらライオンの話題だった。

わたし流解釈

魏武が馬で行軍してたらライオンに会いました。マッチョマン数百人を投入しましたが強敵です。
すると突然ブッシュの中から(どこ?アフリカ?)タヌキが飛び出してきてライオンをやっつけてくれました。

このタヌキはもしや「白いすべすべ動物」ではないでしょうか、どういう理由でか(なでてもらったからか?)恩返しに来たのでは?
ライオンは持って帰ったんですね、でもタヌキがどうなったのか書いてない。


あ、なんだライオンと怪物の話は水經注なのか(ってこの本持ってるんですけど私・・・)

遼水のあたりみたいです。
維基文庫,自由的圖書館
http://zh.wikisource.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%B6%93%E6%B3%A8/14

水經注/14
《魏書·國誌》曰:遼西單於蹋頓尤強,為袁氏所厚,故袁尚歸之,數入為害。公出盧龍,塹山堙穀五百餘裏。未至柳城二百裏,尚與蹋頓將數萬騎逆戰。公登白狼山,望柳城,卒與虜遇,乘其不整,縱兵擊之,虜眾大崩,斬蹋頓,胡漢降者二十萬口。《英雄記》曰:曹操於是擊馬鞍於馬上作十片,即於此也。《博物誌》曰:魏武於馬上逢獅子,使格之,殺傷甚眾。王乃自率常從健兒數百人擊之。獅子吼呼奮越,左右鹹驚。王忽見一物,從林中出,如貍,超上王車軛上。獅子將至,此獸便跳上獅子頭上,獅子即伏不敢起,於是遂殺之,得獅子而還。未至洛陽四十裏,洛中雞狗皆無鳴吠者也。其水又東北入廣成縣,東注白狼水。白狼水北逕白狼縣故城東,王莽更名伏狄。白狼水又東,方城川水注之。水發源西南山下,東流北屈,逕一故城西,世謂之雀目城。東屈逕方城北,東入白狼水。白狼水又東北,逕昌黎縣故城西。



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