「中国古典小説選2 捜神記・幽明録・異苑他<六朝 I > 」
2009年 12月 15日 |
「中国古典小説選2 捜神記・幽明録・異苑他<六朝 I >」 明治書院


明治書院ってこの出版不況にマニアックな本で頑張っているところがスゴイです。
ここの本は原文も訳文もついてるので好きだ。
今回の翻訳は若い人も参加してるせいかファンキーで笑えるのが多くて良いです。


六朝の色々な志怪小説のアンソロジーになってます。
曹丕の「列異伝」が入ってるというので珍しいかと思い読んでみました。
でも本当に曹丕の選かどうか疑わしいんですって。張華が作者という説もあるそうです。

「列異伝」からは16編えらばれてます。ただ「捜神記」などとかぶってる話がほとんどなので、それほど新味はないです(まあ偉そう)。


これは・・・!と思わされたのが、「度朔君」という妖怪の話で、登場人物は袁紹、張郃、曹公と豪華です。「捜神記」にも入ってるそうですが知りませんでした。

話の詳細は「捜神記」などをご覧いただくとして(不親切也)、曹公が狩りをして小鹿みたいな動物を捕らえます。明らかに妖怪なのですが


毛はやわらかく可愛らしかった。曹操は顔を撫でたが、動物の名前は見当がつかなかった。

「度朔君」
「中国古典小説選2 捜神記・幽明録・異苑他<六朝 I >」 明治書院



原文では「毛軟滑可愛。公以摩面,莫能名也。」
すべすべしててカワイイから撫でてみたのでしょうか。殿は可愛ければ何でもいいのか・・・
(ここでヘンな想像してしまった人は私と一緒に壁に向かって反省しましょう)。


この話を本当に曹丕が収録してたとしたらやっぱり妙な親子だと思う。自分の親が妖怪をなでなでした話ってやはり普通は収録しないでしょう・・・



搜神記 第十七卷

袁紹,字本初,在冀州,有神出河東,號度朔君,百姓共為立廟。廟有主簿大福。陳留蔡庸為清河太守,過謁廟,有子,名道,亡已三十年,度朔君為庸設酒曰:「貴子昔來,欲相見。」須臾子來。度朔君自云:「父祖昔作兗州。」有一士,姓蘇,母病,往禱。主簿云:「君逢天士留待。」聞西北有鼓聲,而君至。須臾,一客來,著皂角單衣,頭上五色毛,長數寸。去後,復一人,著白布單衣,高冠,冠似魚頭,謂君曰:「昔臨廬山,共食白李,憶之未久,已三千歲。日月易得,使人悵然。」去後,君謂士曰:「先來,南海君也。」士是書生,君明通五經,善禮記,與士論禮,士不如也。士乞救母病。君曰:「卿所居東,有故橋,人壞之,此橋所行,卿母犯之,能復橋,便差。」曹公討袁譚,使人從廟換千疋絹,君不與。曹公遣張合毀廟。未至百里,君遣兵數萬,方道而來。合未達二里,雲霧繞合軍,不知廟處。君語主簿:「曹公氣盛,宜避之。」後蘇井鄰家有神下,識君聲,云:「昔移入湖,闊絕三年,乃遣人與曹公相聞,欲修故廟,地衰,不中居,欲寄住。」公曰:「甚善。」治城北樓以居之。數日,曹公獵得物,大如麑,大足,色白如雪,毛軟滑可愛。公以摩面,莫能名也。夜聞樓上哭云:「小兒出行不還。」公拊掌曰:「此子言真衰也。」晨將數百犬,繞樓下,犬得氣,衝突內外。見有物,大如驢,自投樓下。犬殺之。廟神乃絕。



もうひとつ「列異伝」から、これも「捜神記」に入ってるのですが「白頭公の木(張遼)」という話です。主人公は魏の張遼(遼来来とは別人)。
どういう話かというと、張遼が木を切らせようとすると、赤い汁が流れてきたという内容です。

・・・なんだか聞いたような話ですね。
しかし張遼さんは気にせず切り倒したら出世したようです。よかったね。

この話が演義では曹操様が木の祟りで苦しむ話になってしまったのでしょうか?
もしそうだとしたら曹丕のせいじゃないとはいえ、やや親不孝のような気がします。


演義はこんなの。

三國演義 第78回 治風疾神醫身死 傳遺命奸雄數終
操大怒曰:「吾平生遊歷普天之下,四十餘年,上至天子,下至庶人,無不懼孤;是何妖神,敢違孤意!」言訖,拔所佩劍親自砍之:錚然有聲,血濺滿身。操愕然大驚,擲劍上馬,回至宮內。是夜二更,操睡臥不安,坐於殿中,隱幾而寐。



「捜神記」はこんな感じ。

搜神記 第十八卷
魏,桂陽太守江夏張遼,字叔高,去鄢陵,家居,買田,田中有大樹,十餘圍,枝葉扶疏,蓋地數畝,不生穀。遣客伐之。斧數下,有赤汁六七斗出,客驚怖,歸白叔高。叔高大怒曰:「樹老汁赤,如何得怪?」因自嚴行復斲之。血大流灑。叔高使先斲其枝,上有一空處,見白頭公,可長四五尺,突出,往赴叔高。高以刀逆格之,如此,凡殺四五頭,並死。左右皆驚怖伏地。叔高神慮怡然如舊。徐熟視,非人,非獸。遂伐其木。此所謂木石之怪夔魍魎者乎?是歲應司空辟侍御史兗州刺史以二千石之尊,過鄉里,薦祝祖考,白日繡衣榮羨,竟無他怪。





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